『リアル』(REAL)は、井上雄彦が集英社の『週刊ヤングジャンプ』で1999年から不定期に連載している青年漫画です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | リアル(REAL) |
| 作者 | 井上雄彦 |
| 出版社 | 集英社 |
| 掲載誌 | 週刊ヤングジャンプ |
| 連載開始 | 1999年 |
| ジャンル | 青年漫画・スポーツ・人間ドラマ |
| 主な競技 | 車いすバスケットボール |
| 既刊 | 17巻 |
| 最新刊発売日 | 2026年4月17日 |
| 連載状況 | シリーズ連載・未完結 |
井上雄彦は『SLAM DUNK』『バガボンド』などを手掛けてきた漫画家です。文化庁メディア芸術祭の公式記録によると、『リアル』は2001年の第5回マンガ部門で優秀賞を受賞しています。
あらすじ:3人の人生が交差する物語物語の中心にいるのは、野宮朋美、戸川清春、高橋久信という3人の青年です。
彼らはそれぞれ異なる事情から人生の大きな壁に直面します。共通しているのは、バスケットボールとの関係が人生を大きく変えていくことです。
物語は単純なスポーツ漫画の構造を取りません。競技で勝利することだけでなく、自分自身の過去や失敗、他人との関係、失われたものとどう向き合うかが描かれます。
野宮の過失によって生じた事故、戸川が背負う病気と身体の変化、高橋が突然失った日常。それぞれの人生が少しずつ交差していく構成が作品の特徴です。
作品の中心テーマは「失ったものと、どう生きるか」『リアル』では、障害を乗り越えればすべてが解決するという単純な描き方はされません。
自分の身体に対する怒り、周囲への劣等感、他人に対する嫉妬、責任から逃れたい気持ちなど、簡単には整理できない感情が描かれます。
加えて、障害のある人物だけでなく、事故を起こした側や競技から離れた人物にも焦点を当てています。
この視点の広さが、作品を単なる車いすバスケットボール漫画ではなく、人生そのものを描く人間ドラマにしています。
【登場人物と相関関係】野宮朋美・戸川清春・高橋久信の人物像

『リアル』を理解するうえで欠かせないのが、3人の主人公の違いです。
同じバスケットボールという競技に関わりながら、彼らが抱える問題はまったく異なります。
野宮朋美:自分の過ちと向き合う青年野宮朋美は、かつてバスケットボールをしていたものの、競技を辞めてから生活がうまくいかなくなった青年です。
物語序盤では、バイク事故によって同乗していた山下夏美に大きなけがを負わせてしまいます。
高校を辞め、将来への目標も見失っていた野宮は、古い体育館で車いす生活を送る戸川清春と出会います。
この出会いが、野宮の人生を変えるきっかけになります。
野宮の物語で重要なのは、事故を起こしたという過去を消せないことです。
自分が他人の人生に与えた影響をどう受け止めるのか。そして、過去の自分を抱えながら何を目指して生きるのか。
野宮は、失敗した人間が再び人生を歩み始める過程を象徴する人物です。
戸川清春:車いすバスケットボールに人生を懸ける選手戸川清春は、骨肉腫によって右脚を切断し、車いす生活を送る青年です。
車いすバスケットボールの選手として高い能力を持つ一方、強い自尊心や他人との衝突など、競技者としての課題も抱えています。
戸川にとってバスケットボールは、単なる趣味や運動ではありません。
自分が何者であるかを証明し、自分の人生を取り戻すための大切な場所です。
しかし、実力があるからといって、必ずしも周囲とうまくいくわけではありません。
チームメートとの関係や競技者としての成長など、戸川の物語はスポーツにおける技術と人間性の両面を描いています。
高橋久信:突然変わった日常と向き合う人物高橋久信は、もともと高校バスケットボール部のキャプテンを務めていた人物です。
しかし、交通事故によって下半身不随となり、それまで当たり前だった生活が一変します。
事故以前の高橋は、自分の実力や立場に自信を持っていました。
ところが、身体の自由を失ったことで、これまでの自分をそのまま維持できなくなります。
高橋の葛藤は、ほかの2人とは異なる意味を持っています。
野宮は自分の過去の行動と向き合い、戸川は障害を抱えながら競技者として成長しようとする。一方の高橋は、事故によって失われた自己認識を取り戻す必要があります。
17巻では、そんな高橋が車いすバスケットボールを始める展開が描かれます。
主要人物の関係を一覧で整理| 人物 | 背景・状況 | 作品における役割 |
|---|---|---|
| 野宮朋美 | バイク事故を起こし、バスケから離れていた | 過去への責任と再起 |
| 戸川清春 | 骨肉腫で右脚を切断。車いすバスケ選手 | 競技への情熱と成長 |
| 高橋久信 | 交通事故で下半身不随となった元バスケ部主将 | 喪失と自己再生 |
| 山下夏美 | 野宮の起こした事故の同乗者 | 野宮が背負う責任を象徴する存在 |
この3人は、単純な仲間同士という関係ではありません。それぞれが自分の問題を抱えながら、バスケットボールを通じて人生を交差させていきます。
【最新刊17巻】2026年4月17日発売!収録内容と見どころ
902円(税込)
2026年4月17日発売・B6判・208ページ
ISBN:978-4-08-894241-4
2026年4月17日に発売された第17巻は、現在の物語を追ううえで重要な巻です。
集英社の公式書誌では、戸川、野宮、高橋の3人それぞれに新しい動きがあることが紹介されています。
17巻のあらすじ17巻で描かれる大きな要点は次の3つです。
1.戸川清春:3ポイントシュートを磨く
戸川は選手としてさらなる進化を目指し、3ポイントシュートの技術を磨きます。
車いすバスケットボールの選手として、何を武器にするのか。競技者としての成長が注目される展開です。
2.野宮朋美:再びトライアウトに挑戦
野宮は再びトライアウトに挑みます。
過去の挫折を経て、もう一度自分の可能性を試そうとする姿が描かれます。野宮がどこまで自分を変えられるのか、今後の展開を左右するポイントです。
3.高橋久信:車いすバスケットボールを始める
高橋は車いすバスケットボールを始めます。
事故以前の自分を取り戻すのではなく、変わってしまった現実の中で新しい道を探すことになります。
3人の人生がそれぞれ新しい局面に入ることが、17巻の大きな見どころです。
17巻の収録話数集英社の電子書籍版の目次では、次のエピソードが収録されています。
- 97th.
- 98th.
- 99th.
- 100th.
- 101st.
- 102nd.
単行本では第102話までが収録されています。
18巻の発売日はいつ?2026年11月5日時点で、18巻の発売日は公式発表されていません。
これまでの刊行間隔を見ると、一定のペースで毎年発売されるシリーズではないことが分かります。
| 巻数 | 発売日 |
|---|---|
| 14巻 | 2014年12月24日 |
| 15巻 | 2020年11月19日 |
| 16巻 | 2024年8月19日 |
| 17巻 | 2026年4月17日 |
| 18巻 | 公式発表なし |
特に14巻から15巻までは長い期間が空いています。15巻から16巻、16巻から17巻も刊行間隔は異なります。
そのため、18巻の発売時期を過去の平均だけで決めつけることはできません。
現段階では、17巻が最新刊であり、18巻の発売日は未定という理解が正確です。
【連載状況と休載の経緯】『リアル』は完結する?再開はいつ?
『リアル』を検索すると、必ずといってよいほど「休載」「連載再開」「完結」という言葉が出てきます。
その背景には、長期にわたる不定期連載があります。
1999年:週刊ヤングジャンプで連載開始『リアル』は1999年の『週刊ヤングジャンプ』48号から連載をスタートしました。
2001年には文化庁メディア芸術祭マンガ部門の優秀賞を受賞。作品として早い段階から評価を受けています。
2014年:長期休載に入る2014年11月の掲載を最後に、作品は休載に入りました。
この休載は約4年半に及び、読者にとって長い待ち時間となりました。
2019年:4年半ぶりに連載再開2019年5月23日発売の『週刊ヤングジャンプ』25号で連載が再開されました。
当時の公式告知では、表紙と巻頭カラーを飾る大型企画として紹介されています。
再開時には14巻までのストーリーを振り返る特集も掲載されました。
2021年〜2023年:再び休載と再開2021年5月以降、掲載が途絶えました。
その後、2023年8月24日発売の『週刊ヤングジャンプ』39号で約2年ぶりに連載が再開されています。
2026年:シリーズ連載として継続2026年の『週刊ヤングジャンプ』公式バックナンバーでは、7月30日発売の35号と10月29日発売の48号に「リアル」のシリーズ連載・センターカラー掲載が確認できます。
また、同誌の最新号案内でも『リアル』はシリーズ連載作品として分類されています。
『リアル』の連載年表| 年月 | 出来事 | 状況 |
|---|---|---|
| 1999年 | 週刊ヤングジャンプで連載開始 | 連載開始 |
| 2001年 | 文化庁メディア芸術祭優秀賞 | 受賞 |
| 2014年11月 | 掲載が途絶える | 休載 |
| 2019年5月 | YJ25号で連載再開 | 約4年半ぶり |
| 2020年11月 | コミックス15巻発売 | 単行本刊行 |
| 2021年5月以降 | 掲載が途絶える | 再び休載 |
| 2023年8月 | YJ39号で連載再開 | 約2年ぶり |
| 2024年8月 | コミックス16巻発売 | 単行本刊行 |
| 2026年4月 | コミックス17巻発売 | 最新刊 |
| 2026年10月 | YJ48号でシリーズ連載掲載 | 連載継続 |
2026年11月現在、作品の完結時期は発表されていません。
17巻では3人の主人公それぞれに新しい展開が用意されており、物語は続いています。
また、週刊連載作品のように毎週決まったペースで掲載される形ではなく、シリーズ連載として掲載されています。
したがって、次のように整理できます。
- 完結済みではない。
- 2026年も掲載実績がある。
- 18巻の発売日は未発表。
- 最終回や完結時期も未発表。
「休載があるから打ち切りになった」「17巻で完結した」という理解は正しくありません。
【車いすバスケットボールとスラムダンクの違い】井上雄彦作品の魅力
『リアル』と『SLAM DUNK』は、どちらも井上雄彦によるバスケットボールを扱った作品です。
しかし、作品が描こうとしているものは大きく異なります。
車いすバスケットボールはどんな競技?車いすバスケットボールは、専用の競技用車いすを使用して行うスポーツです。
日本車いすバスケットボール連盟の競技紹介によると、基本的なルールは一般のバスケットボールと共通する部分が多く、1チーム5人で競技します。
特徴的なのは、ボールを保持した状態で車いすを連続して3回以上こぐとトラベリングになることです。
また、選手の身体機能に応じて持ち点が設定され、コート上の5人の合計点を14点以内にするルールがあります。
この競技の特徴は、身体の能力だけでなく、車いすを操作する技術、ポジショニング、チームワークなどが勝敗を左右することです。
『リアル』では、こうした競技特有の動きや駆け引きが物語の重要な要素になっています。
『リアル』と『SLAM DUNK』を比較| 比較項目 | リアル | SLAM DUNK |
|---|---|---|
| 主な競技 | 車いすバスケットボールなど | 一般のバスケットボール |
| 物語の中心 | 3人の人生と再起 | 湘北高校バスケ部の成長 |
| 主なテーマ | 障害、喪失、責任、自己再生 | 青春、努力、友情、勝負 |
| 登場人物 | 野宮・戸川・高橋 | 桜木・流川・赤木など |
| 作品の特徴 | 複数の人生を並行して描く | チームと試合を軸に展開 |
| 読後感 | 人生について考えさせられる | 試合の興奮と青春の熱量 |
『SLAM DUNK』は、チームが勝利を目指して成長していく姿が物語の大きな推進力です。
対して『リアル』は、競技そのものが人生の問題と密接に結び付いています。
勝つことがすべてではありません。試合に出られないこと、思うように身体を動かせないこと、過去の失敗を忘れられないことも物語の中心になります。
この違いが、同じ作者の作品でありながら異なる読書体験を生み出しています。
『リアル』の評判・感想は?作品の評価で特に注目されるのが、井上雄彦の画力と心理描写です。
文化庁メディア芸術祭の審査講評でも、車いすバスケットボールという題材への挑戦や、物語の続きが気になる作品として評価されました。
読者の感想で論点になりやすいのは、主に次の3点です。
- 画力と競技描写: 車いすバスケットボールの動きや人物の表情を描き分ける表現力。
- 心理描写: 登場人物の弱さや葛藤をきれいごとにせず描く点。
- 刊行ペース: 休載や単行本の発売間隔が長く、続きを待つ必要がある点。
一方で、重いテーマが続くことや、試合中心の爽快なスポーツ漫画を期待すると読み味が異なることもあります。
作品の魅力は、登場人物が簡単に問題を解決しないところにあります。
【プロの結論】『リアル』はスポーツ漫画の枠を超えた作品『リアル』を読むとき、車いすバスケットボールの勝敗だけに注目すると、作品の本質を見落としてしまいます。
重要なのは、登場人物が自分の人生をどう受け入れ、どのように次の一歩を選択するかです。
野宮は自分の過去に対する責任を背負い、戸川は競技者としての限界と成長に向き合い、高橋は突然変わった人生の中で新しい自分を探します。
3人はそれぞれ違う問題を抱えていますが、共通しているのは、現実から逃げ切ることができないという点です。
だからこそ、読者は彼らの成功だけでなく、失敗や迷いにも感情移入できます。
『SLAM DUNK』がバスケットボールの素晴らしさを伝える作品なら、『リアル』はバスケットボールを通じて人生の複雑さを描く作品です。
【よくある質問】井上雄彦の『リアル』に関するFAQ
Q1:『リアル』の最新刊は何巻ですか?
2026年11月現在、最新刊は17巻です。2026年4月17日に集英社から発売されました。価格は902円(税込)です。
Q2:『リアル』17巻の発売日はいつですか?
2026年4月17日です。紙版と電子版が同日に発売されました。
Q3:『リアル』18巻の発売日は決まっていますか?
2026年11月5日時点では未発表です。正式な発売日の案内を待つ必要があります。
Q4:『リアル』は完結していますか?
完結していません。2026年も週刊ヤングジャンプでシリーズ連載が続いています。
Q5:『リアル』の主人公は誰ですか?
野宮朋美、戸川清春、高橋久信の3人です。それぞれ異なる背景や悩みを抱え、車いすバスケットボールを中心に人生を歩んでいきます。
Q6:『リアル』と『SLAM DUNK』はどちらを先に読むべきですか?
どちらから読んでも問題ありません。青春スポーツ漫画の熱さを楽しみたいなら『SLAM DUNK』、人間の葛藤や人生の再起を深く味わいたいなら『リアル』がおすすめです。
Q7:『リアル』は何巻から読むのがおすすめですか?
物語の背景や人物同士の関係を理解するため、1巻から読むのがおすすめです。特に野宮と戸川の出会い、高橋の事故に至る経緯は、その後の物語を理解する重要な要素です。
井上雄彦の『リアル』は、車いすバスケットボールを軸に、野宮朋美・戸川清春・高橋久信という3人の人生を描く青年漫画です。
2026年11月現在、最新刊は2026年4月17日発売の17巻。戸川の3ポイントシュートへの挑戦、野宮のトライアウト、高橋の車いすバスケットボールへの挑戦など、それぞれの物語が新しい段階に入っています。
連載は1999年に始まり、長期休載と再開を繰り返しながら続いてきました。2026年も週刊ヤングジャンプでシリーズ連載として掲載されており、完結時期は公表されていません。
18巻の発売日や最終回を待つ読者にとって、17巻は現在の3人の状況を把握する重要な一冊です。
『SLAM DUNK』とは異なる視点からバスケットボールと人生を描く『リアル』。競技の勝敗だけでは測れない人間の強さや弱さを味わえることこそ、この作品が長く読み継がれる理由です。