夫婦セックスレスは、結婚してからどのくらい性交渉がなければ当てはまるのでしょうか。「もう何か月も夫婦生活がない」「出産してから夫に触れられたくなくなった」「妻から拒否され続けている」「夫婦仲は悪くないのに性生活だけがなくなった」など、悩みの形は家庭によって異なります。
2026年現在、日本性科学会の定義では、特殊な事情がないにもかかわらず、夫婦が合意した性交や性的接触が1か月以上なく、その後も長期間続くと予想される状態をセックスレスとしています。国立社会保障・人口問題研究所の2025年調査や、2026年に公表された最新の民間調査からも、性生活の頻度と夫婦関係の満足度は必ずしも一致しない実態が見えてきました。
【基礎知識】夫婦セックスレスはどこから?1か月・半年・1年以上の違い

夫婦セックスレスを考えるうえで、まず確認したいのが日本性科学会の定義です。
同学会では、1991年にセックスレス・カップルの概念が報告され、1994年に定義が整理されました。その後、2024年6月9日のセックスカウンセリング研修会で、現在の定義にアップデートされています。
その内容は、特殊な事情が認められないにもかかわらず、カップルが合意した性交やセクシュアル・コンタクトがいずれも1か月以上なく、その後も長期にわたることが予想される場合、というものです。
ここで重要なのは、単純に性交渉の回数だけで判断するわけではない点です。
例えば、妊娠中の医師による性交制限、病気の治療、出産後の身体の回復期間など、性交渉がないことに合理的な事情がある場合は、定義の対象を考えるうえで区別が必要です。
また、性交渉だけでなく、夫婦間の合意に基づく性的な触れ合いがあるかどうかも判断に関係します。
夫婦生活が何か月・何年なければセックスレス?「夫婦で何年セックスしていなければ問題なのか」という疑問を持つ人も少なくありません。
日本性科学会の基準では1か月以上が一つの目安ですが、半年、1年、3年といった期間を区切って、夫婦関係の良し悪しを判定する全国共通の基準はありません。
期間による違いを整理すると、次のようになります。
| 期間 | 状態の捉え方 |
|---|---|
| 1か月以上 | 日本性科学会の定義に該当する可能性がある |
| 3か月程度 | 一時的な生活変化なのか、長期化しているのかを確認したい時期 |
| 半年程度 | 性生活に対する双方の希望や不満を話し合う一つの目安 |
| 1年以上 | 長期化している状態。本人の精神的負担や夫婦間の認識の差に注意 |
| 3年以上 | 生活習慣として定着している可能性があり、関係を見直す必要性が高まる場合もある |
ただし、この表は期間ごとの医学的診断基準や法律上の判断基準ではありません。
例えば、結婚10年目で性交渉がなくても、夫婦双方が納得し、愛情や信頼関係を感じているなら、それだけで夫婦関係に問題があるとはいえません。
反対に、結婚して半年しか経過していなくても、一方が強い孤独や拒絶感を抱えていれば、本人にとって深刻な問題になり得ます。
大切なのは、何年していないかだけでなく、夫婦の双方が現在の状態に納得しているかどうかです。
性交渉がないことと、夫婦仲が悪いことは同じではないセックスレスという言葉には、否定的なイメージがつきまといます。
しかし、性生活の頻度が少ない夫婦でも、日常的に会話をし、一緒に出かけ、家事や育児を協力しているケースはあります。
一方で、外から見ると円満な夫婦でも、性生活に関する不満を長年抱えていることがあります。
このため、性生活の有無だけで愛情や結婚生活の満足度を判断するのは適切ではありません。
【2026年最新調査】夫婦セックスレスの実態は?公的調査と男女別データ
2026年の夫婦セックスレスを理解するには、国の調査、専門団体の調査、企業による大規模アンケートを分けて見る必要があります。
調査によって対象年齢や質問方法、セックスレスの定義が異なるため、数字を単純に比較することはできません。
2025年の国の調査で見えた夫婦の性生活注目したいのが、国立社会保障・人口問題研究所が実施した「第17回出生動向基本調査」です。
この調査は2025年6月に実施され、2026年9月11日に結果が公表されました。
夫婦調査では、全国の妻の年齢が55歳未満の夫婦を対象とし、有効回答は5,024件でした。
同調査の関連集計を整理した資料によると、妻が50歳未満の初婚同士の夫婦では、過去1か月間に性交があった割合は37.2%でした。
つまり、過去1か月間に性交がなかった夫婦は約62.8%に相当します。ただし、この数字は性交の有無を測定したもので、日本性科学会の定義に基づいてセックスレスと診断した割合ではありません。
2026年の民間調査では男性約6割・女性約半数が自覚相模ゴム工業株式会社は2026年1月30日、「ニッポンのセックス2026年版」を公表しました。
調査は2025年12月初旬に実施され、全国47都道府県の20~60代男女を対象としています。本調査の回答者は、セックス経験者14,312人です。
特に注目されるのが、パートナーとの関係についてセックスレスだと思うかを尋ねた結果です。
- 男性:約6割がセックスレスだと回答
- 女性:約半数がセックスレスだと回答
加えて、セックスレスだと回答した人のうち、53.6%は性生活に満足していると回答しました。
つまり、セックスレスという自覚があっても、必ずしも性生活に不満があるとは限らないのです。
また、セックスレスではないと回答した人の中にも、1年以上性交渉がない人が20.2%存在しました。
この結果は、本人が考えるセックスレスと、実際の性交渉の頻度が必ずしも一致しないことを示しています。
子育て世帯では約半数がセックスレスを自覚2026年2月10日には、株式会社ベビーカレンダーが子どものいる女性461人を対象にした「夫婦の夜の生活に関するアンケート」を発表しました。
調査結果は次のとおりです。
- 1年以上セックスをしていない:27.7%
- セックスレスを自覚している:27.8%
- ややセックスレスを自覚している:22.1%
- セックスレスの自覚がある人の合計:49.9%
加えて、セックスレスを自覚している人に理由を尋ねたところ、育児・家事による疲労が56.8%で最多でした。
仕事の疲れは42.8%、時間や機会がないことは39.7%となっています。
一方、パートナーへの不満は17.1%、気持ちの距離は12%でした。
子育て世帯の性生活が減少する背景には、必ずしも愛情の低下だけではなく、日常生活における疲労や時間不足があることが分かります。
主要調査の比較と関係性2026年時点で参考になる調査を整理すると、次のようになります。
| 調査・実施主体 | 調査時期・対象 | 主な結果・特徴 |
|---|---|---|
| 日本性科学会 | 2024年6月に定義を更新 | 1か月以上の性交・性的接触の欠如と長期化の予測を重視 |
| 国立社会保障・人口問題研究所 | 2025年6月、夫婦調査5,024件 | 全国の夫婦の結婚・出産・子育てなどを調査 |
| ジェクス・ジャパン・セックス・サーベイ2024 | 2023年11月、18~69歳の男女5,029人 | 男女とも6割以上が1か月以上セックスレス |
| 相模ゴム工業 | 2025年12月、20~60代の男女14,312人 | 男性約6割、女性約半数がセックスレスを自覚 |
| ベビーカレンダー | 2026年1月、子どものいる女性461人 | 49.9%がセックスレスを自覚、育児・家事疲れが主要因 |
ジェクス・ジャパン・セックス・サーベイ2024では、1年以上性交渉がない人は男性45.3%、女性52.8%でした。また、女性の4割以上がセックスはなくてもよいと回答しています。
なお、ジェクスの調査は一般社団法人日本家族計画協会の監修によるもので、国が実施する統計とは性質が異なります。
2026年の調査から読み取れるのは、性生活がない夫婦は珍しくない一方、その状態をどう受け止めるかには大きな個人差があるということです。
【原因を徹底分析】夫婦セックスレスはなぜ起こる?男女別の心理と生活環境
夫婦セックスレスの原因は、一つに限定できません。
結婚生活の長期化、仕事の負担、妊娠・出産、育児、身体的な変化、精神的なストレスなどが重なり、徐々に性生活が減っていくケースがあります。
仕事・家事・育児による慢性的な疲労2026年のベビーカレンダーの調査で最も多かった原因は、育児・家事による疲労でした。
仕事が終わって帰宅した後も、食事の準備、洗濯、子どもの世話、翌日の準備などが続けば、夫婦で過ごす時間は限られます。
特に小さな子どもがいる家庭では、夜間の授乳や夜泣きによって睡眠が分断されることもあります。
その結果、寝室に入った時点で、性的な触れ合いよりも休息を優先したくなることがあります。
このような状況では、性生活の減少を単純に愛情の問題として扱うと、かえって夫婦間の対立を深める可能性があります。
まず確認したいのは、双方に十分な休息時間があるか、家事や育児の負担が偏っていないかという点です。
男女別に異なるセックスレスの心理男女の心理には個人差がありますが、性生活に対する期待や不満の現れ方には違いが見られることがあります。
男性側に見られる心理
- 性的な触れ合いを愛情確認の一つとして捉えている
- 拒否されることによって自信を失ってしまう
- 自分だけが求めているという孤独感を抱く
- 何度も断られることで、誘うこと自体を諦める
- 仕事や精神的なストレスで性欲が低下する
女性側に見られる心理
- 家事や育児の負担が大きく、性行為に向き合う余裕がない
- 出産や授乳による身体の変化が気になる
- 性交痛や乾燥への不安がある
- 日常的な会話や愛情表現が不足していると感じる
- 性行為を求められること自体にプレッシャーを感じる
ただし、これらは男女すべてに当てはまる心理ではありません。
女性が積極的に性生活を望み、男性が拒否する夫婦もあります。
また、双方とも性欲が低下している場合や、もともと性的接触をあまり必要としない場合もあります。
相手の性別や一般的なイメージだけで心理を決めつけず、本人が何を感じているかを確認することが大切です。
妊娠中のセックスレスは珍しくない妊娠中は、性生活に対する考え方や身体の状態が変化しやすい時期です。
妊娠初期には、つわりや眠気、倦怠感によって性欲が低下することがあります。
妊娠中期以降は、体型の変化やお腹への圧迫感、胎児への影響に対する不安が性生活に影響する場合もあります。
一方、パートナー側も胎児への影響を心配し、性交渉を控えることがあります。
妊娠中の性交渉は、経過が順調であれば一律に禁止されるものではありません。ただし、切迫流産・切迫早産、出血、破水などの問題がある場合や、医師から制限を受けている場合は控える必要があります。個々の妊娠経過については、担当の産婦人科医に確認してください。
出産・育児をきっかけに性生活が減る理由出産後は、身体の回復だけでなく、ホルモンバランスや心理状態にも変化が生じます。
日本家族計画協会の産後性生活に関する解説では、出産後の主な問題として次のような点が挙げられています。
- 会陰部の傷や帝王切開後の痛み
- 授乳に伴うホルモンバランスの変化
- 腟の乾燥や性交痛
- 出産時の痛みに対する恐怖心
- 育児による慢性的な疲労
- 子ども中心の生活による夫婦の時間の減少
産後の性生活再開については、まず産後健診で回復状態を確認し、身体的にも精神的にも受け入れられることが前提になります。
一般的な目安として出産後4~6週間程度が紹介されていますが、帝王切開や会陰部の傷の状態などによって異なります。
痛みがある場合は無理をせず、産婦人科で相談することが必要です。
加齢・更年期・病気による性欲の変化夫婦セックスレスは、20代や30代だけの問題ではありません。
40代以降になると、更年期に伴うホルモン変化や身体的な不調によって、性生活に変化が生じる場合があります。
女性の場合、エストロゲンの低下によって腟粘膜が乾燥し、性交痛につながることがあります。
男性の場合も、加齢、慢性疾患、睡眠不足、ストレス、服用薬などが性欲や勃起機能に影響する場合があります。
日本産婦人科医会は、性交痛の背景として授乳、更年期、外陰部の炎症、骨盤底機能障害などを挙げています。性交痛がある場合は、我慢して性交渉を続けるのではなく、医療機関で原因を確認することが大切です。
【実践編】夫婦セックスレスの話し合い方と解消法
セックスレスを改善したいと思っても、最初の一歩が難しいと感じる人は多いでしょう。
性生活の話題は、相手を傷つけることへの不安や、自分の欲求を否定される恐怖から、なかなか口に出せないことがあります。
大切なのは、性交渉の回数を増やすことだけを目標にしないことです。
セックスレスについて話し合うタイミング話し合いをするなら、性交渉を断られた直後や、口論になっている最中は避けた方がよいでしょう。
落ち着いて会話できる時間を選び、相手を責めるのではなく、自分の気持ちを伝えることから始めます。
例えば、次のような伝え方があります。
- 「最近、二人でゆっくり過ごす時間が減った気がする」
- 「あなたとの触れ合いが少なくなって、少し寂しく感じている」
- 「今の生活で負担になっていることはない?」
- 「性生活について、お互いがどう感じているのか話してみたい」
- 「無理をしてほしいわけではなく、二人にとって心地よい関係を考えたい」
こうした伝え方なら、相手を一方的に責めるのではなく、夫婦で問題を共有しやすくなります。
セックスレスの解消に向けた5つの方法1. 夫婦の家事・育児分担を見直す
疲労が原因なら、性的な努力を求めるよりも、まず生活負担を減らすことが先決です。
食事の準備や洗濯、子どもの寝かしつけなどを分担し、一方だけが休めない状況を改善します。
2. 二人で過ごす時間を確保する
夫婦の会話が事務連絡だけになっている場合は、短時間でも二人で過ごす時間をつくります。
一緒に食事をする、散歩をする、休日に出かけるなど、性行為を目的としない時間から始めても構いません。
3. スキンシップを少しずつ取り戻す
手をつなぐ、肩に触れる、隣に座るなど、負担の少ない触れ合いから始める方法があります。
ただし、触れ合いが必ず性交渉につながるという期待を相手に持たせないことも重要です。
4. 身体的な問題を医療機関で確認する
性交痛、勃起障害、性欲低下、腟の乾燥などがある場合は、専門的な診察を受ける選択肢があります。
女性は婦人科、男性は泌尿器科が主な相談先です。
必要に応じて性機能外来や性科学に詳しい医師を探すこともできます。
5. 夫婦カウンセリングを利用する
話し合いが成立しない、どちらかが強い拒絶感を抱いている、何度も同じことで口論になる場合は、第三者に入ってもらう方法があります。
夫婦それぞれの希望や不安を整理することで、当事者だけでは気づきにくい問題が見えてくることがあります。
夫婦セックスレスを改善する際に避けたい行動改善を急ぐあまり、逆効果になる行動にも注意が必要です。
- 性交渉の回数を一方的に約束させる
- 断られたことを理由に怒る、無視する
- 他の夫婦と比較して相手を責める
- 浮気をほのめかしてプレッシャーをかける
- 断る理由を聞かずに愛情がないと決めつける
- 相手が嫌がっているのに身体に触れる
夫婦であっても、性的な同意は必要です。
性交渉を強制することは解決策になりません。相手の意思を尊重しながら、双方が納得できる関係を目指す必要があります。
【相談先一覧】夫婦セックスレスは誰に相談すればいい?
セックスレスは非常にプライベートな問題であり、友人や家族にも相談しづらいことがあります。
しかし、身体的な問題、心理的な問題、夫婦間のコミュニケーションの問題は、それぞれ専門家に相談できます。
相談内容別のおすすめ窓口| 相談先 | 主な相談内容 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 婦人科 | 性交痛、腟の乾燥、更年期、産後の身体の変化 | 女性側の身体的な悩み |
| 泌尿器科 | 勃起障害、男性更年期、性機能の問題 | 男性側の身体的な悩み |
| 性機能外来 | 性欲低下、性交障害、身体的な性の問題 | 医学的な原因を調べたい場合 |
| 性科学会のカウンセリング室 | セックスレス、性嫌悪、夫婦間の性の悩み | 性生活について専門家に相談したい場合 |
| 夫婦カウンセリング | 会話不足、価値観の違い、関係の悪化 | 二人で問題を整理したい場合 |
| 男女共同参画センター | 家庭生活、夫婦関係、家庭内の悩み | 地域の相談窓口を利用したい場合 |
| 弁護士 | 離婚、慰謝料、財産分与など | 法的な問題を整理したい場合 |
性に関する悩みを専門的に相談したい場合、一般社団法人日本性科学会のカウンセリング室があります。
同学会では、臨床心理士などの専門家が心理面と身体面の双方から相談に対応しています。
主な相談対象は次のとおりです。
- セックスレス
- 性欲低下
- 性嫌悪
- 性交痛
- 勃起障害
- 挿入障害
- オルガスム障害
- 性に関するパートナー間の問題
本人だけでなく、カップルでの相談にも対応しています。
公式に掲載されている料金は、通常のカウンセリングの場合、初回13,200円、2回目以降9,900円です。利用条件や料金は変更される可能性があるため、予約時に確認してください。
自治体の男女共同参画センター夫婦間のコミュニケーションや家庭生活に悩んでいる場合は、自治体の男女共同参画センターも相談先になります。
内閣府男女共同参画局では、都道府県や市町村が設置する男女共同参画センターについて案内しています。
施設によって、相談内容、利用条件、カウンセリングの有無は異なります。
性の悩みを専門的に扱う施設とは限りませんが、夫婦関係や家庭内の問題を相談する入口として活用できます。
【離婚との関係】夫婦セックスレスは離婚理由になる?慰謝料の可能性も解説
夫婦セックスレスが長期間続くと、離婚を考える人もいます。
特に、一方が性生活の再開を望んでいるにもかかわらず、もう一方が話し合いに応じない場合、孤独感や精神的な負担が大きくなることがあります。
セックスレスだけで離婚できるわけではない日本の民法770条1項5号では、裁判上の離婚原因として「その他婚姻を継続し難い重大な事由」が定められています。
セックスレスについても、長期間にわたる性交渉の拒否などが夫婦関係の破綻につながっている場合、この規定に該当する可能性があります。
ただし、性交渉がないという事実だけで、自動的に離婚が認められるわけではありません。
裁判では、次のような事情が総合的に検討されます。
- セックスレスが始まった時期と期間
- 性交渉を拒否する理由
- 夫婦間で話し合いをしたか
- 相手の気持ちや身体的事情への配慮
- 暴言や暴力などの有無
- 別居の有無や婚姻関係の実態
- 関係を修復する可能性
また、夫婦間であっても性的な自己決定権は尊重されなければなりません。離婚問題と性交渉への同意は、別の問題として考える必要があります。
慰謝料が認められる可能性はある?セックスレスに関連して慰謝料請求が問題になることもあります。
2025年11月24日に弁護士ドットコムが紹介した法律解説では、性交渉の拒否だけではなく、夫婦関係の破綻に至った経緯やその他の事情を踏まえて判断することが説明されています。
紹介された裁判例には、性交渉などの性的接触がなかったことによる婚姻関係の破綻について、50万円の慰謝料請求が認められた事例もあります。
一方、慰謝料が認められないケースもあります。
つまり、セックスレスの期間だけで慰謝料の金額が決まるわけではありません。
離婚や慰謝料請求を具体的に検討する場合は、日常生活の状況や話し合いの経緯を整理し、離婚問題に詳しい弁護士に相談することが現実的です。
【夫婦セックスレスのよくある質問(FAQ)】
Q1:夫婦で1か月セックスしていなければセックスレスですか?
日本性科学会の定義では、特別な事情がなく、合意した性交や性的接触が1か月以上なく、長期化が予想される場合に該当します。ただし、1か月性交渉がないという事実だけで、すべての夫婦が問題を抱えているわけではありません。
Q2:夫婦で何年セックスしていないと問題になりますか?
一律の基準はありません。半年や1年以上性交渉がない場合でも、双方が納得しているなら問題とは限りません。一方、数か月でも一方が強い苦痛を感じているなら、話し合いや相談を検討する価値があります。
Q3:子どもが生まれてからセックスレスになるのは普通ですか?
出産後は、ホルモンバランスの変化、授乳、睡眠不足、育児疲れ、性交痛などによって性生活が減少することがあります。2026年のベビーカレンダーの調査でも、子どものいる女性の49.9%がセックスレスを自覚していました。
Q4:妻がセックスを拒否するのは夫への愛情がなくなったからですか?
必ずしもそうではありません。疲労、育児、性交痛、性欲の変化、心理的な負担など、さまざまな原因が考えられます。拒否の理由を愛情の有無だけで判断せず、本人の気持ちを確認することが大切です。
Q5:夫がセックスを求めなくなった場合、浮気している可能性はありますか?
セックスレスだけで浮気を判断することはできません。仕事の疲れ、ストレス、身体的な問題、性欲の変化、夫婦間の心理的な距離なども考えられます。根拠のない疑いで相手を責めるのではなく、まずは関係の変化について話し合うことが必要です。
Q6:セックスレスは自然に解消することがありますか?
あります。出産後の身体の回復、育児環境の変化、仕事の負担軽減などをきっかけに、性生活が自然に戻るケースも考えられます。ただし、性交痛や長期間の心理的な拒絶などがある場合は、自然な改善を待つだけでなく専門家への相談も検討しましょう。
Q7:セックスレスでも夫婦関係を良好に保てますか?
可能です。性生活の頻度と夫婦の愛情や信頼関係は必ずしも一致しません。双方が現在の状態に納得し、会話やスキンシップなどを通じて安心できる関係を築けているなら、セックスレスであることだけを問題視する必要はありません。
Q8:セックスレスを理由に離婚できますか?
長期的な性交渉の拒否などが婚姻関係の破綻につながっている場合、民法770条1項5号の離婚原因に該当する可能性があります。ただし、期間だけで決まるものではなく、拒否の理由、夫婦関係の実態、修復可能性などによって判断されます。
夫婦セックスレスは、日本性科学会の定義では1か月以上の性交・性的接触の欠如と、その後の長期化の予測が判断の目安になります。2026年に公表された最新調査からも、夫婦の性生活が長期間ないケースや、セックスレスを自覚している人が少なくないことが分かりました。
特に見逃せないのは、育児・家事・仕事による疲労、妊娠・出産後の身体的変化、性交痛、性欲の違いなど、性生活の減少にはさまざまな背景があることです。相手への愛情がなくなったという単純な理由だけで説明することはできません。
関係を改善したい場合は、まず双方の気持ちを確認し、生活の負担を見直すことから始めましょう。身体的な悩みは婦人科や泌尿器科、心理的な悩みは性科学会のカウンセリング室や夫婦カウンセラーなど、問題に応じた相談先を選ぶことも大切です。
【プロの結論】夫婦セックスレスを考える際に最も重要なのは、性交渉の回数を増やすこと自体をゴールにしないことです。性生活を望む人の気持ちも、望まない人の意思も、どちらも尊重される必要があります。夫婦が現在の関係に納得できているか、悩みを安心して話せるか、必要なときに助けを求められるか。この3点が、夫婦関係を修復するか、現在の形を受け入れるか、あるいは別の人生を選ぶかを考える際の重要な判断基準になります。
セックスレスは、夫婦関係の終わりを意味するものではありません。大切なのは、問題を一人で抱え込最初に、お互いの気持ちを理解しながら、二人にとって無理のない関係を選び直していくことです。