2026年、生活保護の不正受給をめぐる最新の公表データでは、令和6年度の不正受給件数は25,907件、金額は約114億円に達した。厚生労働省が2026年1月に公表した資料によると、前年の23,786件から2,121件増加しており、金額も約97億円から約114億円へ増えている。
不正受給の内訳で最も多いのは、働いて得た給与などの収入を申告しないケースだ。年金や保険金の未申告、収入の過少申告も一定数確認されている。一方、収入の申告漏れがすべて直ちに悪質な不正受給と判断されるわけではなく、申告義務の説明状況や本人の認識、事情などによって法的な扱いは異なる。発覚後には返還請求や最大40%の加算徴収、悪質な場合には刑事罰が問題になる。
【2026年最新】生活保護不正受給は25,907件・約114億円!最新統計から実態を検証

生活保護不正受給の規模を把握するうえで重要なのが、厚生労働省の「全国厚生労働関係部局長会議資料(令和7年度詳細版資料)」に掲載された生活保護法第78条の適用状況だ。
この統計は、生活保護法施行事務監査の実施結果報告を集計したもので、不正受給に対する費用徴収の状況を示している。2026年11月時点で確認できる最新の年度別データは令和6年度分である。
令和2年度から令和6年度までの推移過去5年間の件数と金額を見ると、令和2年度以降は減少傾向にあったものの、令和6年度には再び増加している。
- 令和2年度:32,090件・約126億円
- 令和3年度:27,891件・約110億円
- 令和4年度:24,683件・約106億円
- 令和5年度:23,786件・約97億円
- 令和6年度:25,907件・約114億円
令和6年度の1件当たりの金額は約44万円。前年と比較すると、不正受給件数は約8.9%増加し、金額も約17%増加した計算になる。
ただし、この数字だけを見て不正受給が急激に拡大していると判断するのは適切ではない。令和2年度と比べれば件数は依然として少なく、長期的な推移と直近の増加を分けて考える必要がある。
不正受給件数は生活保護利用者全体の何を示すのか25,907件という数字は、不正受給に関する生活保護法第78条の適用状況であり、生活保護利用者全員のうち何%が不正をしているかを直接示すものではない。
また、件数は人数と必ずしも一致しない。1人の受給者に複数の不正内容や徴収対象が存在する可能性もあるため、件数をそのまま不正受給者の人数として扱うことはできない。
生活保護制度は、憲法第25条の生存権を具体化し、困窮する人の最低限度の生活を保障する制度だ。不正受給への対策と、本当に支援を必要とする人への保護を混同しないことが、統計を読み解く基本になる。
【何が不正受給に該当する?】収入申告漏れ・年金・保険金の実態
生活保護の不正受給とは、生活保護法第78条にいう「不実の申請その他不正な手段」によって保護を受けることを指す。
代表例は、収入や資産について事実と異なる申告を行い、本来の支給額を超える保護費を受け取るケースだ。特に多いのが就労収入の無申告と過少申告である。
令和6年度の不正内容で最も多いのは給与・就労収入の未申告厚生労働省の令和6年度資料に掲載された不正内容の内訳は、次のとおりだ。
- 稼働収入の無申告:13,357件(51.6%)
- 稼働収入の過少申告:2,559件(9.9%)
- 各種年金等の無申告:3,199件(12.3%)
- 保険金等の無申告:540件(2.1%)
- 預貯金等の無申告:292件(1.1%)
- 交通事故に係る収入の無申告:236件(0.9%)
- その他:5,724件(22.1%)
就労収入の無申告と過少申告を合計すると15,916件で、全体の約61.5%を占める。つまり、不正受給として処理されたケースの多くは、仕事をして収入を得ながら、その内容を正しく申告していなかった事案だ。
アルバイト・副業・日雇い収入も申告が必要生活保護を受けている人が働くこと自体は禁止されていない。アルバイト、パート、日雇い、内職、業務委託などで収入を得ても、制度上の基準に従って収入を申告すればよい。
生活保護費は、世帯の最低生活費から認定された収入を差し引いて算定される。そのため、働いて収入が増えた場合には、保護費が調整される仕組みになっている。
加えて、勤労収入には基礎控除などの仕組みがあり、給与収入の全額がそのまま保護費から差し引かれるわけではない。
問題になるのは、仕事をしたことではなく、収入があったにもかかわらず申告しないことや、実際より少ない金額を申告することだ。
年金の未申告も不正受給につながる令和6年度の統計では、各種年金等の無申告が3,199件確認されている。
対象となり得るのは、老齢年金、障害年金、遺族年金などの公的年金だ。年金の受給が始まった場合や、遡及して年金が支給された場合には、福祉事務所への申告が必要になる。
年金を受給していること自体が生活保護の不正受給になるわけではない。年金額を含めて世帯の収入を計算し、それでも最低生活費に不足する部分について生活保護を利用できる場合がある。
一方、年金の受給開始を知りながら報告せず、従来と同じ保護費を受け続けた場合には、事情に応じて返還や費用徴収の対象となる。
生命保険・保険金・相続・交通事故の補償金も確認対象保険金等の無申告は令和6年度に540件だった。入院給付金、死亡保険金、満期保険金、解約返戻金などは、受け取った理由や性質によって収入・資産としての取り扱いが異なる。
また、相続によって財産を取得した場合や、交通事故の損害賠償金を受け取った場合も、福祉事務所への相談・申告が必要になることがある。
ただし、保険金や補償金がすべて一律に全額収入認定されるわけではない。厚生労働省のケースワーカー向け研修資料でも、自立更生に充てる災害補償金や保険金などについて、一定の条件で収入認定から除外される取り扱いが示されている。
自己判断で申告しないことが最も危険だ。受け取った金額、支給理由、使途を整理し、担当ケースワーカーに確認することが重要になる。
なぜ収入申告漏れが起こるのか不正受給の統計は、申告漏れの動機を直接集計したものではない。しかし、実務上は次のような状況が問題になりやすい。
- 短期アルバイトや日雇いなど、収入が不規則に変動する。
- 副業や臨時収入を申告対象ではないと誤解する。
- 年金の遡及支給や保険金の受け取りを報告する必要性を理解していない。
- 収入が増えると保護費が減ることを避けようとして申告しない。
- 申告義務について説明を受けていたにもかかわらず、意図的に収入を隠す。
重要なのは、申告漏れという結果だけで悪質性を判断しないことだ。厚生労働省の通知では、不当に受給しようとする意思がなかったことや、申告が遅れたことにやむを得ない理由があった場合など、第63条による返還が適切となるケースも示されている。
【どうやって発覚する?】福祉事務所の資産調査・収入調査と家庭訪問の仕組み
生活保護の不正受給は、近隣住民からの通報だけで発覚するわけではない。実際には、行政機関による定期的な照会や収入・資産の確認が大きな役割を果たしている。
発覚の約9割は福祉事務所の照会・調査厚生労働省の令和6年度統計によると、不正受給が発見されたきっかけは次のとおりだった。
- 照会・調査:22,962件(88.6%)
- 通報・投書:1,599件(6.2%)
- その他:1,346件(5.2%)
約9割が行政側の照会・調査によって発見されている。世間で想像されがちな「近所の人からの通報が中心」というイメージとは異なる実態だ。
生活保護法第29条による資産・収入調査福祉事務所が調査を行う法的根拠の一つが、生活保護法第29条だ。
同条に基づき、保護の決定や実施、不正受給に関する費用徴収に必要がある場合、官公署、日本年金機構、銀行、雇用主などの関係先に資料の提供や報告を求めることができる。
具体的な確認対象には、次のようなものがある。
- 税務部局:課税所得、確定申告情報、固定資産など。
- 日本年金機構・年金関係機関:年金の受給資格や支給額。
- 勤務先・雇用主:就労状況、給与、賞与など。
- 金融機関:預貯金などの資産状況。
- 保険会社:生命保険の契約状況や解約返戻金など。
- その他の関係機関:雇用保険や労災保険などの給付状況。
個人情報保護委員会も、生活保護法第29条に基づく調査について、法令に基づく場合として本人の同意なく個人データを提供できることを説明している。ただし、関係機関に対する照会は無制限な情報収集を認めるものではなく、法令上の目的と必要性に沿って行われる。
ケースワーカーによる家庭訪問は何を確認するのかケースワーカーは、保護の開始後も受給世帯の状況を確認する。家庭訪問では、住居や生活状況、世帯構成、就労状況などを把握し、必要に応じて相談援助や生活上の支援を行う。
厚生労働省の保護の実施要領では、世帯の状況に応じた訪問計画を作成し、原則として少なくとも年2回以上の家庭訪問を行う取り扱いが示されている。
また、生活保護法第28条では、必要がある場合に居住場所への立ち入り調査や報告を求めることができると定めている。ただし、同条の立入調査権限は犯罪捜査のためのものではない。
家庭訪問は不正を探すだけの活動ではない。健康状態や生活上の問題を把握し、適切な保護や自立支援につなげるという役割も担っている。
通報・投書で不正受給が発覚するケース行政の調査以外では、第三者からの通報や投書も発見のきっかけになる。
例えば、実際の就労状況と申告内容に食い違いがある、収入や資産について不自然な情報があるなど、具体的な情報が福祉事務所に寄せられるケースだ。
ただし、第三者からの通報は、それだけで不正受給が確定するものではない。福祉事務所が必要な確認を行い、客観的な資料や本人への聞き取りなどを踏まえて判断する。
【発覚後はどうなる?】生活保護法第63条・第78条の返還請求と最大40%加算徴収
不正受給が判明した場合、まず問題になるのが、過去に支給された保護費の返還・徴収だ。
ここで重要なのが、生活保護法第63条と第78条の違いである。両者は似た制度に見えるが、適用される事情や金銭的な負担が異なる。
第63条と第78条の違いを比較厚生労働省の費用返還・費用徴収に関する通知では、資力があってもすぐに活用できなかったケースと、不正な手段で保護を受けたケースを区別している。
| 法令・主体 | 適用される場面・役割 | 発生する負担・影響 |
|---|---|---|
| 生活保護法第28条 | 福祉事務所による報告要求・居住場所の調査 | 調査への対応や必要な報告が求められる |
| 生活保護法第29条 | 行政機関・銀行・勤務先などへの資料照会 | 資産・収入の確認や不正受給の調査につながる |
| 生活保護法第63条 | 急迫時などに資力がある状態で保護を受けた場合 | 受けた保護金品の範囲内で費用返還 |
| 生活保護法第78条 | 不実の申請や不正な手段によって保護を受けた場合 | 費用徴収に加え、最大40%の加算徴収が可能 |
| 生活保護法第85条 | 不正な手段で保護を受けた場合の刑事罰 | 3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 |
第63条は、急迫した事情などによって資力があるにもかかわらず生活保護を受けた場合に、その保護費の返還を求める規定だ。
例えば、生活保護を受けている期間中に、以前から権利があった年金や保険金などが後から支給されるケースが考えられる。
本人に不正受給の意思がなく、資力がすぐには生活に利用できなかった事情がある場合などは、第63条による返還が適切となることがある。
返還額は、受けた保護金品に相当する金額の範囲内で決定される。第78条のような最大40%の加算徴収はない。
第78条は不正な手段による受給が対象一方、第78条は、虚偽の申請や収入の隠蔽など、不正な手段によって保護を受けた場合に適用される。
厚生労働省の通知では、次のような事情を適用判断の基準として挙げている。
- 福祉事務所から申告を指示されたにもかかわらず、届け出なかった。
- 申告内容に意図的な操作や虚偽の記載を加えた。
- 収入について説明を求められたのに応じなかった、または虚偽の説明をした。
- 課税調査などで提出した収入申告書が虚偽だったと判明した。
特に重要なのは、申告義務について本人がどのような説明を受け、何を理解していたかという点だ。申告義務の説明が十分でなかった場合や、本人に不当に受給する意思がなかったことが立証される場合などは、適用条文の判断に影響する。
最大40%の加算徴収とは?100万円なら最大140万円第78条の大きな特徴が、返還対象となる費用に加えて、最大40%の加算徴収が認められていることだ。
例えば、不正受給として徴収される保護費が100万円の場合、最大40万円の加算徴収が可能となり、合計の徴収額は最大140万円となる。
ただし、40%は上限であり、すべての事案で一律に40%が加算されるわけではない。法律上は、徴収額に対して40%以下の金額を徴収できると規定されており、実際の決定は個別の事情に基づく。
また、第78条による徴収金は、法律に定める条件の下で国税徴収の例による徴収が可能だ。返還・徴収の通知を受けた場合は、対象期間、収入額、計算根拠を確認する必要がある。
保護の停止・廃止は自動的に決まるのか不正受給が判明した場合でも、発覚した瞬間に必ず生活保護が廃止されるわけではない。
福祉事務所は、収入や資産の状況、世帯の最低生活費、今後の生活状況などを確認し、保護の変更・停止・廃止を判断する。
不正受給に関する統計では、令和6年度の保護の停止・廃止等は5,448件だった。これは同年度の不正受給25,907件とは別の集計項目であり、すべての不正受給事案で保護が廃止されているわけではないことが分かる。
生活保護法第62条や第28条などには、一定の義務違反や調査への対応状況に応じた保護の変更・停止・廃止に関する規定がある。処分に当たっては、法律に定められた手続や弁明の機会にも留意する必要がある。
【刑事罰・告発・通報】生活保護法第85条で拘禁刑や罰金を科される可能性
不正受給が悪質と判断された場合、行政上の費用徴収だけで終わらず、刑事事件として扱われる可能性もある。
生活保護法第85条の罰則は3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金2026年現在の生活保護法第85条では、不実の申請その他不正な手段によって保護を受けた者、または他人に受けさせた者について、次の罰則を定めている。
3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金
ここで注意したいのは、2026年の条文では「懲役」ではなく「拘禁刑」という用語が使われている点だ。
懲役と禁錮を廃止して拘禁刑を創設する刑法改正は、2025年6月1日に施行された。これに伴い、生活保護法の罰則も現在の表記に改められている。
拘禁刑と罰金は、法律上の選択刑として定められている。すべての不正受給に刑事罰が科されるわけではなく、事件の内容や証拠、捜査・起訴・裁判の結果によって判断される。
令和6年度の告発等は162件厚生労働省の統計によると、令和6年度における生活保護法第78条の適用状況で、告発等は162件だった。
過去の推移を見ると、次のようになっている。
- 令和2年度:144件
- 令和3年度:125件
- 令和4年度:136件
- 令和5年度:132件
- 令和6年度:162件
令和6年度は前年の132件から30件増加した。ただし、この数字は告発等の件数であり、起訴された件数や有罪判決の件数と同じではない。
生活保護不正受給を通報する場合の窓口と注意点不正受給の疑いについて情報を提供したい場合は、対象者の居住地域を管轄する福祉事務所が基本的な相談窓口となる。
通報する際には、次のような客観的な情報が参考になる。
- 不正受給が疑われる具体的な内容
- 収入や就労状況について把握している事実
- 発生時期や継続期間
- 確認できる資料や情報の出所
一方、生活保護を利用しているという理由だけで不正を疑ったり、生活ぶりや所有物の印象だけで不正受給と決めつけたりすることは適切ではない。
通報はあくまで調査のきっかけであり、事実確認や法的判断は行政機関が行う。個人情報を無断で拡散したり、SNSなどで対象者を名指しして非難したりすることも避けるべきだ。
【よくある誤解を検証】働いているだけで不正受給になる?正しい判断基準
生活保護不正受給をめぐっては、制度の仕組みが十分に理解されないまま、誤った情報が広がることもある。特に、就労収入や資産の取り扱いについては注意が必要だ。
誤解1:生活保護を受けながら働くことは禁止されているこれは誤りだ。生活保護は、働いている人でも世帯収入が最低生活費に届かなければ利用できる。
収入を適切に申告すれば、勤労控除などを反映したうえで保護費が調整される。働くこと自体が不正受給になるわけではない。
誤解2:申告を1回忘れただけで必ず40%加算されるこれも正確ではない。第78条の適用には、申告義務や本人の認識、虚偽の申告、説明への対応など、個別の事情が関係する。
やむを得ない事情があり、不当に受給する意思がなかった場合などには、第63条による返還が適切となることもある。
誤解3:行政は銀行口座や個人情報を自由にすべて確認できる生活保護法第29条によって一定の資料照会が可能だが、行政による情報収集は法律上の目的と必要性に基づいて行われる。
生活保護を受けているというだけで、あらゆる個人情報が無制限に調べられるという意味ではない。
誤解4:不正受給が発覚したら必ず刑務所に入る不正受給の発覚と刑事処罰は別の問題だ。返還・費用徴収という行政上の対応が行われる場合と、刑事告発・起訴などに進む場合は区別しなければならない。
悪質性や証拠の状況などによって対応が異なり、最終的な刑事責任は司法手続によって判断される。
【プロの結論】生活保護不正受給問題で本当に見るべき3つのポイント
令和6年度の25,907件という数字は、生活保護制度の適正な運用に課題が残っていることを示している。特に、就労収入の無申告だけで全体の51.6%を占める事実は、収入申告の徹底が不正防止の中心的な課題であることを示唆する。
一方で、不正受給対策を強化することと、生活に困窮する人の保護を萎縮させることは別問題だ。制度を適正に運用するには、次の3点が欠かせない。
1. 申告漏れと意図的な不正を区別する収入の申告漏れが判明した場合、単に未申告という事実だけでなく、申告義務についてどのような説明があったか、本人が理解していたか、故意に隠したのかを確認する必要がある。
この区別が、第63条と第78条の適切な適用につながる。
2. 調査と生活支援を両立させるケースワーカーの役割は、不正受給の確認だけではない。生活状況を把握し、必要な制度を案内し、就労や健康面の課題を支援することも重要な仕事だ。
申告義務を丁寧に説明し、年金や保険金などの扱いを個別に案内することで、意図しない申告漏れを防ぐ効果も期待できる。
3. 不正受給の統計は件数・金額・発見経路をセットで読む不正受給の実態を正しく理解するには、件数だけでなく金額、発見のきっかけ、保護の停止・廃止、告発等の数字も合わせて見る必要がある。
令和6年度は不正受給件数が増えた一方、発見の約88.6%は行政の照会・調査によるものだった。この数字は、制度の監視機能が実際にどのように働いているかを示す重要な材料となる。
【生活保護不正受給】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:生活保護を受けながらアルバイトをすると不正受給になりますか?
A1:なりません。就労そのものは禁止されていません。ただし、アルバイトや副業などで得た収入は原則として申告が必要です。収入に応じて保護費が調整されます。
Q2:生活保護を受けながら年金を受給すると不正受給になりますか?
A2:年金の受給自体は不正ではありません。年金収入を福祉事務所に申告し、最低生活費との差額に応じて保護費が算定されます。未申告で保護費を過剰に受け取った場合は返還・徴収の対象になる可能性があります。
Q3:生活保護の不正受給が発覚すると全額返還しなければなりませんか?
A3:第78条が適用される場合は、不正受給に該当する費用の全部または一部が徴収対象となり、さらに最大40%の加算徴収が可能です。一方、第63条の場合は受けた保護金品の範囲内で返還額が決定されます。適用条文や具体的な金額は個別の事情によって異なります。
Q4:生活保護の不正受給が発覚すると必ず保護廃止になりますか?
A4:必ず廃止になるわけではありません。収入や資産、世帯の状況などを確認し、保護費の変更、停止、廃止などが個別に判断されます。
Q5:生活保護の不正受給で逮捕・刑事罰を受けることはありますか?
A5:あります。生活保護法第85条では、不正な手段による受給について3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金を規定しています。ただし、すべての申告漏れが刑事事件になるわけではありません。
2026年に確認できる最新の年度別統計では、令和6年度の生活保護不正受給は25,907件、約114億円だった。内訳では就労収入の無申告が最も多く、年金や保険金の未申告も確認されている。
発覚のきっかけは約88.6%が行政の照会・調査であり、通報・投書だけに依存した仕組みではない。福祉事務所は生活保護法第28条・第29条などに基づいて収入や資産を確認し、必要に応じて返還や費用徴収を行う。
発覚後の対応では、第63条による費用返還と、第78条による不正受給の費用徴収を区別することが重要だ。第78条では最大40%の加算徴収が可能であり、悪質な事案には第85条による刑事罰も定められている。
ただし、生活保護を受けながら働くことは認められており、収入があることだけで不正受給になるわけではない。制度を守るための調査と、困窮する人の生活を保障する支援の両方が必要だ。
生活保護を利用している人にとっては、給与、年金、保険金、相続など、収入や資産に変化があった段階で担当ケースワーカーに相談することが、後日の返還トラブルを防ぐ最も確実な方法となる。
不正受給への適正な対応と、本当に支援を必要とする人が安心して制度を利用できる環境。その両立こそが、生活保護制度への信頼を維持するための重要な課題である。
主な公的根拠資料