交通事故の危険性を調べる際、死亡者数と同じくらい気になるのが「どこで事故が起きたのか」という点です。
杉並区の交通事故資料では、死亡事故の発生場所や道路の種類についても確認できます。
2025年の死亡事故発生場所は公表資料でどこまで分かる?2026年3月3日の区の委員会資料では、2025年の死亡者数と年齢構成は示されていますが、死亡事故それぞれの発生場所、日時、事故状況までは掲載されていません。
一方、詳細な発生場所を確認できる直近の年間資料は、杉並区がまとめた2024年版「杉並区の交通事故概要」です。
同資料に記載された2024年の死亡事故4件は次のとおりです。
- 1月4日・下高井戸五丁目: 70歳代の歩行者と普通乗用車による事故。
- 4月13日・西荻南三丁目: 70歳代の歩行者と普通乗用車による事故。
- 4月25日・松庵一丁目: 40歳代の自動二輪車と事業用普通乗用車による事故。
- 11月20日・今川一丁目: 70歳代の歩行者と軽乗用車による事故。
2024年は死亡事故4件で、死亡者も4人でした。このうち3件は歩行者が関係し、残る1件は自動二輪車が関係しています。
ここから読み取れるのは、交通量の多い幹線道路だけを警戒すればよいわけではないということです。
住宅地にある区道でも、歩行者と自動車の接触事故が死亡事故につながっています。
事故が多い道路はどこ?道路種別を比較2024年の杉並区公式資料では、道路種別ごとの交通事故件数も掲載されています。
| 道路の種類 | 事故件数 |
|---|---|
| 区道 | 456件 |
| 主要都道 | 404件 |
| 一般都道 | 95件 |
| 国道 | 60件 |
| その他 | 19件 |
| 合計 | 1,034件 |
最も多かったのは区道の456件です。
主要都道には環七通り、環八通り、青梅街道、早稲田通り、五日市街道、方南通りなどが含まれます。
区道の事故件数が多いことは、生活道路も交通安全対策の重要な対象であることを示しています。幹線道路の交差点だけでなく、住宅街の見通しが悪い場所や、歩行者と自転車が交錯する場所にも注意が必要です。
事故類型別に見ると車両相互の事故が中心杉並区の2025年版統計書に掲載された2024年の事故類型別発生件数は次のとおりです。
- 人対車両:157件
- 車両相互:653件
- 車両単独:224件
車両相互の事故が全体の約63%を占めています。
自動車同士だけでなく、自転車や二輪車が関係する衝突も含まれる分類です。
ただし、この事故類型の数字は2024年のもので、2025年の989件にそのまま当てはめることはできません。最新年度の事故類型別内訳を確認するには、杉並区統計書の交通事故発生状況と警視庁の統計を区別して見る必要があります。
【2026年最新】杉並区の交通事故は9月末までに708件、死者2人

2026年の状況については、警視庁が2026年10月15日に更新した「交通人身事故発生状況(令和8年9月末)」が重要な資料です。
同資料によると、杉並区の2026年1月から9月までの交通人身事故は次のとおりです。
2026年1月~9月・杉並区708件
人身事故発生件数2人
交通事故死者数803人
負傷者数9月30日
集計基準日
出典:警視庁「区市町村別交通人身事故発生状況(令和8年9月末)」
2025年の年間死者数は3人でしたが、2026年は9月末時点で既に2人です。
2026年はまだ年間集計が終わっていないため、前年より改善したと判断することはできません。残る期間の事故発生状況にも注意が必要です。
杉並警察署の交通事故発生状況にも注目杉並区内は、杉並警察署、荻窪警察署、高井戸警察署の3署が管轄しています。
この区分を理解しておくことも、地域の事故情報を正確に読むポイントです。
警視庁が公表する杉並警察署管内の2025年年間データでは、時間帯別の事故件数は次のようになっています。
- 午前8時~10時:57件
- 午前10時~12時:57件
- 午後2時~4時:51件
曜日別では土曜日が66件で最多でした。
これらは杉並警察署の管轄区域に限った数字であり、杉並区全域の事故件数ではありません。例えば、荻窪警察署や高井戸警察署の管轄区域で起きた事故は別に集計されます。
住んでいる町丁目の事故状況を調べる場合には、警察署の管轄区域を確認したうえで統計を読むことが大切です。
【警視庁交通事故発生マップ】死亡事故の場所を調べる方法
杉並区内のどの地域で交通事故が起きているのかを調べたい場合は、警視庁の「交通事故発生マップ」が役立ちます。
警視庁は2026年3月6日更新の案内で、交通事故発生マップについて、都内の事故発生状況を密度地図で確認できるほか、死亡事故の発生状況や概要など10項目を公開していると説明しています。
交通事故発生マップの確認手順STEP 1:杉並区を表示する
地図上で杉並区を中心に表示し、自宅や通勤・通学経路の周辺を確認します。
STEP 2:事故の密度を確認する
色の濃い場所や事故情報が集まっている場所を確認します。事故が集中している地域は、交差点の形状や道路の幅、交通量なども意識して見ると参考になります。
STEP 3:死亡事故の情報を確認する
死亡事故の発生状況や概要を確認します。警視庁は死亡事故に関する情報を毎週更新すると案内しています。
STEP 4:日常の移動経路と照らし合わせる
事故地点が通勤・通学路や買い物経路に重なっていないかを確認します。特に、交差点、横断歩道、見通しの悪い道路では慎重な通行を心掛けましょう。
事故マップを見るときの注意点事故の発生密度が高い地域だからといって、必ずしも道路そのものに重大な欠陥があるとは限りません。
交通量が多い場所では、事故の絶対数も増えやすくなります。
そのため、地図を見るときには次の3点を分けて考える必要があります。
- 事故の発生件数が多い場所
- 死亡事故が発生した場所
- 自分が日常的に通行する場所
また、死亡事故の地点だけでなく、負傷者が発生した事故や自転車関連の事故にも目を向けることが大切です。
事故マップは危険を予測するための資料であり、事故が起きないことを保証する安全地図ではありません。
【杉並区の交通安全対策】高齢者と自転車事故をどう減らすか
2025年の統計で明らかになった課題は、自転車関与事故の割合が約半数に達していることと、高齢者事故が増加していることです。
杉並区では、自転車利用環境の整備や交通安全の啓発を進めています。
1. 自転車ネットワーク路線の整備杉並区は2024年2月に「杉並区自転車活用推進計画」を策定しました。
この計画は、自転車を安全に利用できる環境を整えながら、自転車の利便性も高めることを目的としています。
特に注目したいのが、自転車ネットワーク路線の再構築です。
区は2024年度にネットワーク路線を再構築し、従来の駅周辺などを中心とした整備対象エリアを区内全域に拡大しました。
新規路線については2026年度以降に整備する予定とされています。
自転車が安全に走れる空間を確保することは、自転車と自動車の接触リスクを減らすだけでなく、歩行者の安全にもつながります。
ただし、道路整備だけですべての事故を防げるわけではありません。利用者側のルール遵守も必要です。
2. 2026年4月から自転車にも青切符制度2026年の大きな制度変更として、自転車への交通反則通告制度、いわゆる青切符制度の導入があります。
警察庁によると、2026年4月1日から16歳以上の自転車運転者が一定の交通違反について青切符の対象になりました。
対象となる違反には、次のようなものがあります。
- 信号無視
- 指定場所での一時不停止
- 右側通行などの通行区分違反
- 携帯電話使用等
- 遮断踏切への立ち入り
ただし、違反をすればすべて直ちに青切符が交付されるという制度ではありません。警察庁は、基本的には指導警告を行い、悪質・危険な違反を取り締まる考え方を示しています。
自転車利用者にとっては、これまで以上に交通ルールを理解しておく必要があるでしょう。
3. 高齢者の歩行中の事故を防ぐ2025年は杉並区の交通事故死者3人のうち2人が65歳以上でした。
高齢者の事故を減らすには、本人の注意だけでなく、周囲の交通環境も重要です。
特に歩行者には次の対策が有効です。
- 横断歩道を利用し、左右の安全を確認する。
- 夕暮れ時や夜間は明るい色の服装を選ぶ。
- 反射材を活用して車両から発見されやすくする。
- 急いで道路を横断しない。
- 見通しの悪い交差点では車両の接近を確認する。
自動車や二輪車を運転する側も、住宅街や交差点では速度を抑え、歩行者の存在を予測する運転が大切です。
4. 自転車利用者が守りたい基本ルール杉並区が案内する自転車安全利用のルールでは、車道の左側通行が基本です。
歩道を通行できるのは、標識による指定や、13歳未満・70歳以上など一定の条件に該当する場合、または安全確保のためやむを得ない場合などです。
歩道を通行するときは歩行者を優先し、すぐに停止できる速度で走らなければなりません。
また、次の点も重要です。
- 交差点では信号と一時停止を守る。
- 夜間はライトを点灯する。
- 飲酒運転をしない。
- ヘルメットを着用する。
ヘルメットは全年齢で着用が努力義務となっています。自転車事故では頭部を守ることが重大な被害を防ぐうえで重要です。
【杉並区交通事故死亡】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:杉並区の2025年の交通事故死亡者数は何人ですか?
A1:2025年の死亡者数は3人です。内訳は65歳以上が2人、40歳代が1人でした。2024年の4人から1人減少しています。
Q2:杉並区で死亡事故が発生した場所はどこですか?
A2:2024年の公式年間資料には、下高井戸五丁目、西荻南三丁目、松庵一丁目、今川一丁目の4か所が記録されています。2025年の死亡者3人については、2026年3月の区の委員会資料に個別の発生場所は掲載されていません。最新の発生状況は警視庁の交通事故発生マップで確認できます。
Q3:杉並区の2026年最新の交通事故件数は何件ですか?
A3:警視庁の2026年9月末統計では、1月から9月までの人身事故が708件、死者が2人、負傷者が803人です。年間確定値ではありません。
Q4:杉並区では自転車事故が多いのでしょうか?
A4:2025年は自転車関与事故が489件で、全事故の49.4%でした。東京都全体の45.9%を上回っており、自転車事故対策は重要な課題です。
Q5:杉並区の交通事故発生場所はどこで調べられますか?
A5:警視庁の交通事故発生マップで確認できます。事故の密度や死亡事故の発生状況などを地図上で確認でき、地域の交通安全を考える際に役立ちます。
2025年の杉並区の交通事故は989件、死亡者数は3人でした。死亡者数は前年より1人減少し、65歳以上の死者も3人から2人に減っています。
しかし、自転車関与事故は489件で、全体の49.4%。さらに高齢者事故は366件と、前年から24件増加しました。
2026年9月末時点でも、人身事故708件、死者2人という状況が続いています。
今後の杉並区の交通安全を考えるうえで、特に注目したいのは次の3点です。
1. 道路環境の改善: 自転車ネットワーク路線の整備と生活道路の安全確保。
2. 高齢者の事故防止: 歩行者の安全対策と運転者側の注意喚起。
3. 交通ルールの徹底: 自転車の左側通行、信号遵守、ヘルメット着用、青切符制度への理解。
交通事故の数字は、単なる統計ではありません。その背後には、日常の移動中に危険にさらされる住民の暮らしがあります。
死亡者数が減ったことを一つの成果としながらも、事故そのものを減らす取り組みを続けることが必要です。警視庁の事故発生マップや杉並区の公式統計を定期的に確認し、自宅周辺や通勤・通学路の危険箇所を把握することが、身近な交通事故防止の第一歩になります。