大相撲中継で、力士の頭に美しく整えられたちょんまげや大銀杏。その髪を専門的な技術で結い上げている職人が「床山(とこやま)」です。力士や親方ほど表舞台に立つ機会はありませんが、伝統的な大相撲を支える重要な協会員であり、髪質や頭の形に合わせて一人ひとり異なる髷を仕上げています。
床山には日本相撲協会独自の採用制度と六段階の階級があり、見習いから特等床山に至るまで長い修業が必要です。2026年11月現在の協会公式名簿では46人が掲載されており、採用条件、給料、見習い期間、大銀杏の結い方など、一般にはあまり知られていない実態があります。
【床山とは?読み方・仕事内容・日本相撲協会での役割を解説】

床山は「とこやま」と読みます。
大相撲における床山とは、力士の頭髪を整え、伝統的な髷(まげ)を結い上げる専門職です。
日本相撲協会に所属する協会員であり、力士と同じように相撲部屋に所属して仕事をします。
床山の仕事は単なる散髪や整髪ではありません。力士それぞれの髪質、毛量、頭の形、つむじの位置などを把握し、崩れにくく美しい髷を仕上げる高度な職人技が大切です。
また、床山は大相撲の伝統的な髪型を後世に伝える役割も担っています。
もともと床山という職業は、江戸時代に歌舞伎役者などの髪を結う職人とも関係の深い仕事でした。現在は歌舞伎や時代劇のかつらを扱う職人と、大相撲の力士を担当する床山が知られています。
床山と美容師・理容師との違い一般的な美容師や理容師と床山には、仕事の目的と技術に違いがあります。
美容師や理容師はカット、カラー、パーマ、シェービングなど幅広い施術を行います。一方、相撲の床山は力士の髷を専門に結い上げます。
特に大銀杏は、一般的な整髪技術だけでは再現が難しく、伝統的な道具の扱いと長年の経験が必要です。
なお、床山になるために美容師免許や理容師免許が必須というわけではありません。
床山の名前には「床」が付く日本相撲協会に所属する床山には、独特の名前の付け方があります。
床好(とこよし)、床貴(とこたか)、床岳(とこたけ)など、基本的に名前の先頭に「床」の字が付いています。
本名の一文字や、所属部屋・師匠にゆかりのある文字を取り入れることもあります。
行司のように代々受け継ぐ名跡とは異なり、それぞれの床山が個別の名前を持つ点も特徴です。
【床山の仕事内容とは?相撲部屋での一日と実際の働き方】
床山の仕事は、力士の髪を結うことだけではありません。
相撲部屋での生活や稽古の流れに合わせて、力士が土俵に立つための準備を支えています。
1. 力士の髷を結う最も重要な仕事が、力士のちょんまげや大銀杏を結うことです。
普段の稽古や生活では、幕下以下の力士も関取も基本的にちょんまげで過ごします。
一方、本場所や公式行事では、十両以上の関取が大銀杏を結います。
髪を整える際には、髪質や長さに応じて水やびんつけ油を使い、櫛で丁寧に整えます。
髷の形だけでなく、左右のバランスや毛先のまとまりまで仕上げる必要があります。
2. 力士の髪質やクセを見極める床山に欠かせない技術の一つが「クセもみ」です。
髪に水を含ませ、手で揉みほぐして髪のクセを整える作業を指します。
日本相撲協会の公式クイズでも、クセもみは床山の専門用語として紹介されています。
特にクセの強い髪は、そのままでは大銀杏の形を整えにくいため、丁寧な下準備が欠かせません。
髪の状態を見極め、どの程度水を含ませるか、どの方向に櫛を通すかを判断することも床山の腕の見せどころです。
3. 相撲部屋の仕事や若手の指導見習いの床山は、先輩床山から技術を教わりながら、相撲部屋の掃除などの仕事も行います。
相撲部屋は力士だけで運営されているわけではありません。師匠や力士、行司、呼出など、多くの人が共同生活と日々の活動を支えています。
床山もその一員として、部屋の規律や生活習慣を身につけていきます。
4. 本場所や巡業での髪結い本場所では、取組前の力士の髪を整えることが重要な仕事になります。
関取の大銀杏は、見た目の美しさだけでなく、激しい取組でも簡単に崩れない仕上がりが必要です。
日本相撲協会によると、熟練した床山でも一人の関取の大銀杏を仕上げるには20〜30分ほどかかります。
巡業では髪結いの実演が披露されることもあり、床山の高度な技術を観客が間近で見られる貴重な機会となっています。
【日本相撲協会の床山階級は6段階!特等床山の条件と人数】
床山には、力士の番付とは異なる独自の階級制度があります。
階級は五等床山から特等床山までの6段階です。
日本相撲協会の公式事業報告書では、床山全員に月給制の給与を支給していること、等級を原則として毎年9月場所後の理事会で決定していることが記されています。
床山の階級一覧| 階級 | 2026年11月の公式名簿掲載人数 | 位置付け |
|---|---|---|
| 特等床山 | 1人 | 最高位。卓越した技能と実績が必要 |
| 一等床山 | 18人 | 長年の経験を積んだ上位床山 |
| 二等床山 | 7人 | 熟練した技術を持つ床山 |
| 三等床山 | 10人 | 中堅クラスの床山 |
| 四等床山 | 2人 | 経験を積んだ床山 |
| 五等床山 | 8人 | 若手・初期段階の床山 |
| 合計 | 46人 | 日本相撲協会公式名簿を集計 |
※人数は2026年11月に確認した日本相撲協会公式名簿に基づきます。2025年12月末の令和7年度事業報告書では44人でした。
特等床山とは?最高位に昇進する条件特等床山は、床山の世界で最も高い階級です。
日本相撲協会の公式クイズでは、特等床山の昇進条件について、次の基準が紹介されています。
- 勤続45年以上で、60歳以上かつ成績優秀な者
- 勤続30年以上45年未満で、特に成績優秀な者
つまり、単純に長く働けば誰でも特等になれるわけではありません。
長年の経験に加え、優れた技能や勤務実績が求められる特別な地位です。
2026年11月の日本相撲協会公式名簿では、特等床山として床好(とこよし)が掲載されています。所属は時津風部屋です。
床山の階級はどのように上がる?床山の昇進は、基本的に勤続年数と技能・成績を踏まえて判断されます。
特等床山の床鶴氏は、2024年の和樂webのインタビューで、一般的な昇進の目安として、10年目で三等、20年目で二等、30年目で一等に上がる床山が多いと説明しています。
ただし、これは目安であり、全員が同じ年数で昇進するわけではありません。
また、昇格の判断は日本相撲協会の理事会で行われます。
日本相撲協会・相撲部屋・床山・力士の関係床山は単独で仕事をする職人ではありません。協会の制度に基づいて相撲部屋に所属し、力士の活動を支える立場です。
それぞれの関係を整理すると、次のようになります。
| 関係する主体 | 役割・関係 |
|---|---|
| 日本相撲協会 | 床山の採用、養成、階級の決定、給与支給を担う |
| 相撲部屋・師匠 | 床山の所属先となり、日常の養成や指導を支える |
| 床山会委員 | 床山に必要な実技指導を担当する |
| 特等床山 | 床山の最高位として高度な技術を担う |
| 一等・二等床山 | 経験と技術を積んだ熟練者として活躍する |
| 三等・四等・五等床山 | 実務を経験しながら技術を磨く |
| 力士 | ちょんまげや大銀杏を結ってもらう対象 |
特に注目したいのは、令和7年度の日本相撲協会事業報告書に、三等以下の床山の養成は師匠である年寄が担当し、床山として必要な実技指導は床山会委員が担当すると記載されている点です。
つまり、床山の技術は相撲部屋での実践と、専門的な指導の両方によって受け継がれています。
【床山になるには?採用条件・見習い期間・必要な資格】
床山は誰でも自由に応募できる一般的な美容職とは異なります。
日本相撲協会の採用制度に基づき、相撲部屋に所属して技術を習得していく職業です。
床山の採用条件これまで紹介されてきた床山の基本的な採用資格は次のとおりです。
- 義務教育を修了した男子
- 満19歳未満
- 健康で、床山として適格と認められること
- 美容師・理容師免許は必須ではない
- 髪結いの経験も必須ではない
採用年齢などの条件は、過去の協会関係資料や床山への取材記事で説明されているものです。実際の募集状況や最新の採用手続きは、日本相撲協会への確認が必要です。
床山の見習い期間は約3年間採用後は、一般的に約3年間の見習い期間を経験します。
この期間は、先輩床山の仕事を見ながら、櫛の使い方、びんつけ油の扱い方、髪のクセの整え方などを学びます。
初めから大銀杏を結えるわけではありません。
まずは基本的なちょんまげを結う技術を身につけ、少しずつ作業の正確さと速さを磨いていきます。
特等床山・床鶴氏も、和樂webのインタビューで、見習い時代には先輩の横について仕事を覚え、毎日練習を重ねた経験を語っています。
当初は先輩が複数人を仕上げる間に一人を結うのが精いっぱいだったそうです。
こうした実地訓練を積み重ねることが、一人前の床山への第一歩になります。
床山になるために美容師免許は必要?美容師免許や理容師免許は必須ではありません。
床山は一般的な美容室とは異なる専門技術を身につける職業だからです。
必要なのは、髪を扱う手先の器用さ、細かい作業を繰り返す集中力、先輩から技術を学ぶ姿勢などです。
また、力士との信頼関係を築くコミュニケーション能力も欠かせません。
床山に向いている人の特徴床山に向いているのは、次のような人です。
- 手先が器用で、細かい作業が好きな人
- 一つの技術を長い年月をかけて磨きたい人
- 日本の伝統文化や大相撲が好きな人
- 規則正しい生活や集団生活に適応できる人
- 地道な練習を継続できる人
反対に、短期間で大きな昇進を目指したい人や、個人の裁量で自由に働きたい人には、相撲部屋を中心とする職場環境が合わない可能性があります。
【大銀杏・ちょんまげの結い方と床山の道具を解説】
床山の仕事を理解するうえで欠かせないのが、ちょんまげと大銀杏の違い、そして専用の道具です。
ちょんまげと大銀杏の違い床山が主に結う髪型は2種類です。
ちょんまげ(丁髷)
幕下以下の力士が普段の生活や稽古で結う基本的な髪型です。
十両以上の関取も、稽古や日常生活では基本的にちょんまげで過ごします。
髪を後ろにまとめ、頭頂部で折り曲げて結い上げるシンプルな形ですが、髪質や頭の形に合わせて美しく整えるには経験が必要です。
大銀杏(おおいちょう)
大銀杏は、頭頂部の髷の先端をイチョウの葉のように広げた髪型です。
原則として十両以上の関取が本場所などで結います。
日本相撲協会の力士規定では、十枚目以上の力士は出場に際して大銀杏に結髪しなければならないとされています。
また、幕下上位の力士が十両力士と対戦する場合や、弓取り式・初っ切りなどの場面でも大銀杏を結うことがあります。
大銀杏は何等床山から結える?検索されることの多い疑問が「床山は何等になれば大銀杏を結えるのか」という点です。
実は、日本相撲協会が公表している情報には、大銀杏を結うための一律の階級制限は示されていません。
そのため、三等床山にならなければ結えない、あるいは二等以上でなければ担当できないといった決まりがあるわけではありません。
重要なのは、実際に大銀杏を美しく仕上げられる技術を身につけているかどうかです。
日本相撲協会の公式案内では、大銀杏の技術を習得するには10年以上かかると紹介されています。
床山が使う専門道具一覧床山は、髪型を整えるために複数の専用道具を使います。
| 道具 | 主な用途 |
|---|---|
| 荒櫛(あらぐし) | 最初に髪をとかす |
| すき櫛(すきぐし) | 髪の汚れやほこりを取り除く |
| 揃え櫛(そろえぐし) | 髪の流れや形を整える |
| 前掻き(まえかき) | 前頭部や細部を整える |
| 髷棒(まげぼう) | 大銀杏の膨らみを作る |
| 元結(もとゆい) | 髪を束ねて固定する |
| 握り鋏(にぎりばさみ) | 毛先などを整える |
| 先縛り(さきしばり) | 髷を折り曲げる工程で固定する |
特に注目したいのが髷棒です。
日本相撲協会の公式クイズによると、髷棒は大銀杏の両耳の上や後ろの部分を張り出すように整えるための道具です。
市販品ではなく、畳針などを加工して床山自身が使いやすい形に仕上げることもあります。
道具そのものにも職人の工夫が詰まっています。
びんつけ油とは?力士独特の香りの秘密床山の仕事を語るうえで欠かせないのが、びんつけ油です。
びんつけ油は、力士の髪をまとめ、艶を出し、髷の形を整えるために使われる整髪料です。
一般的には「鬢付け油(びんづけあぶら)」とも呼ばれます。
独特の香りがあり、大相撲の支度部屋を思い浮かべる際の印象的な要素の一つです。
2024年に雷部屋の一等床山・床桑氏を取材したインタビューでは、びんつけ油を手に取って揉み、髪に塗りやすい状態にしてから使用すると紹介されています。
冬場は油が硬くなるため、取り出し方にも工夫が必要だといいます。
こうした細かな扱い方も、床山が長年の経験から身につける技術です。
ちょんまげの結い方ちょんまげは、大きく分けて次の工程で仕上げます。
1. 髪全体に水を含ませ、髪のクセを整える。
2. びんつけ油を髪全体になじませる。
3. 櫛を使って髪の流れを整える。
4. 髪を後ろにまとめ、元結でしっかり固定する。
5. 髷を折り曲げて形を整える。
6. 毛先を揃えて仕上げる。
日本相撲協会の公式情報や髷結いの取材記事によると、ちょんまげは熟練者であれば比較的短時間で仕上げられます。
nippon.comの職人取材では、一般的なちょんまげの髪結いに約10〜15分かかると紹介されています。
大銀杏の結い方大銀杏は、ちょんまげよりも複雑な工程を必要とします。
髪を十分にほぐしてから油をなじませ、左右の鬢(びん)を整え、元結を使って髪を固定していきます。
その後、髷棒や先縛りなどを使い、頭頂部の髷を折り曲げて銀杏の葉のような形に整えます。
最後に前掻きや揃え櫛で細部を仕上げ、全体の左右のバランスを確認します。
髪質や頭の形によって仕上がりが変わるため、同じ手順を繰り返すだけでは美しい大銀杏になりません。
床山の熟練度が、そのまま仕上がりの美しさに表れる工程です。
【床山の給料はいくら?月給・待遇と職業としての実態】
床山を職業として考える場合、気になるのが給料です。
床山は日本相撲協会に所属する協会員であり、一般的な美容室のように施術ごとの売上で収入が決まる仕事ではありません。
床山の給料は月給制日本相撲協会の令和7年度事業報告書には、床山全員に月給制による給与を支給したと記載されています。
つまり、場所ごとの仕事だけで収入が決まる歩合制ではなく、月給制を基本とする職業です。
一方、2026年現在の階級別の具体的な給与額については、協会の最新事業報告書で公表されていません。
インターネット上には、特等床山36万円以上40万円未満、一等床山25万円以上36万円未満などの金額を紹介する記事があります。
ただし、これらは過去の給与規定をもとにした数字であり、2026年現在の実際の支給額としてそのまま扱うことはできません。
給与を調べる際には、基本給だけでなく手当の有無や支給条件も区別する必要があります。
床山の収入は階級や経験によって変わる床山は勤続年数や技術、勤務状況などを踏まえて階級が決定されます。
そのため、経験を積み、上位階級に昇進することが待遇にも関係します。
ただし、力士のように取組の勝敗によって番付が上下する仕組みとは異なります。
床山は、長年にわたって安定した技術を提供し続けることが評価される専門職です。
床山は安定した職業なのか?床山は日本相撲協会に採用される専門職であり、一般的な個人事業主とは働き方が異なります。
毎月の給与が支給されることは、職業として考えるうえで大きな特徴です。
一方で、採用枠や年齢条件が限られており、誰でも自由に転職できる職業ではありません。
加えて、技術を習得するまでに長い時間がかかります。
短期間で高収入を目指すというより、伝統技術を長く磨きながら相撲界を支えたい人に向いている仕事です。
【プロの結論】床山は大相撲の伝統と力士の誇りを支える職人
床山の仕事を理解するうえで、最も重要なのは「髷を結うこと」と「大相撲の伝統を守ること」が切り離せないという点です。
力士にとって髷は単なる髪型ではありません。大相撲の世界で生きる力士の象徴であり、引退時の断髪式にも深い意味があります。
その髷を毎日整える床山は、力士の姿を完成させる職人です。
床山という仕事の価値は、次の3点から考えられます。
第一に、専門技術の希少性です。
大銀杏を美しく結うには、髪質や頭の形を見極める経験と、専用道具を使いこなす技術が必要です。10年以上かけて習得する技術は、一朝一夕では身につきません。
第二に、相撲文化の継承です。
床山は、力士の髷という伝統的な姿を次の世代へ伝える存在です。見習いから始まり、先輩から技術を受け継ぐ仕組みそのものが、職人文化の継承につながっています。
第三に、力士との信頼関係です。
髪を結う作業では、力士の頭に直接触れます。日常的に接するなかで髪質や好みを把握し、その力士に合った髷を仕上げる必要があります。
床山は、単に髪を整える人ではなく、力士の個性と大相撲の格式を髪型で表現する専門職なのです。
【床山とは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:床山の読み方は何ですか?
A1:床山は「とこやま」と読みます。大相撲では、力士のちょんまげや大銀杏を結い上げる専門職を指します。
Q2:床山は何歳からなれますか?
A2:従来の採用資格では、義務教育を修了した満19歳未満の男子が対象とされています。美容師免許や理容師免許は必須ではありません。最新の採用条件や募集状況は日本相撲協会への確認が必要です。
Q3:床山が大銀杏を結えるようになるまで何年かかりますか?
A3:大銀杏の技術を十分に習得するには10年以上かかるとされています。ちょんまげの基本技術を身につけた後も、髪質や頭の形に合わせて美しく仕上げる練習が必要です。
Q4:床山の階級は全部で何段階ですか?
A4:五等、四等、三等、二等、一等、特等の6段階です。最上位の特等床山は、長年の勤続と優れた技能・成績が大切です。
Q5:床山の給料はいくらですか?
A5:日本相撲協会は床山に月給制の給与を支給しています。ただし、2026年現在の階級別の具体的な給与額は公表されていません。過去の給与規定に基づく金額を現在の給与と混同しないことが大切です。
Q6:大銀杏は十両以上の力士しか結えないのですか?
A6:原則として十両以上の関取に許される髪型です。ただし、幕下上位の力士が十両力士と対戦する場合や、弓取り式、初っ切りなどの特別な場面では幕下以下の力士が結うこともあります。
床山とは、大相撲の力士の髷を結い上げる専門職であり、日本相撲協会に所属する重要な協会員です。
仕事内容は、ちょんまげや大銀杏の髪結いを中心に、びんつけ油や櫛、元結、髷棒などを使った高度な整髪技術に及びます。
床山には五等から特等まで6階級があり、採用後は約3年間の見習い期間を経て、長年の経験と技術を積み重ねていきます。
2026年11月現在、日本相撲協会の公式名簿には46人の床山が掲載されています。特等床山はわずか1人であり、その地位に至るまでには長い年月と優れた技能が必要です。
次に大相撲を観戦するときは、力士の勝敗だけでなく、頭に結われた髷や大銀杏にも注目してみてください。その美しい形の裏側には、長年技術を磨いてきた床山の仕事があります。
土俵の上で戦う力士を、土俵の外から支える職人。それが床山という仕事の本質です。
主な確認資料: 日本相撲協会「令和7年度事業報告書」「床山一覧」「大相撲クイズ」「巡業の一日」、和樂webによる特等床山・床鶴氏へのインタビュー、nippon.comの髷結い技術に関する取材記事。