2026年の読売ジャイアンツで、戸郷翔征はどのようなシーズンを送ったのか。今季の一軍成績は14試合先発、5勝3敗、防御率2.48、80回82奪三振。2025年の不振から投球内容を改善した一方、7月には左太もも裏の肉離れで離脱し、約2か月間のリハビリを余儀なくされた。
5月4日の一軍登録から、7月8日の登録抹消、9月1日の復帰、そして9月29日の広島戦で挙げた復帰後初勝利。翌30日の登録抹消までを振り返ると、2026年の戸郷には復調の手応えと、先発投手として乗り越えるべき課題の両方が見えてくる。11月3日時点の状況、2025年との成績比較、球種・球速、年俸推移、巨人の先発ローテーションにおける今後の役割まで整理する。
【2026年最新成績】巨人・戸郷翔征は5勝3敗、防御率2.48の投球を披露

2026年レギュラーシーズン終了時点
戸郷翔征の2026年成績を評価するうえで、まず注目したいのが防御率と奪三振率だ。
今季の一軍成績は次のとおり。
- 登板数:14試合
- 先発数:14試合
- 勝敗:5勝3敗
- 投球回:80回
- 防御率:2.48
- 奪三振:82
- 与四球:24
- 被安打:58
- WHIP:1.03
- 奪三振率:9.23
- 完投:1
- 完封:1
NPBの個人年度別成績と2026年の投手記録を照合すると、戸郷は80イニングで82三振を奪っている。1イニング当たりの走者数を示すWHIPも1.03と安定しており、投球内容には明確な改善が見られた。
9月29日の広島戦が象徴した復調2026年シーズンを象徴する登板となったのが、9月29日の広島戦だ。
東京ドームで先発した戸郷は、広島打線を相手に8回2/3を投げ、被安打2、1失点、8奪三振。116球を投じて今季5勝目を挙げた。
五回まで無安打投球を続け、直球とフォークを中心に広島打線を封じ込めた。九回2死から中村奨成にソロ本塁打を浴び、四球も与えたところで降板したものの、先発として十分な存在感を示した。
この勝利は、左太もも裏の肉離れから復帰して5試合目でつかんだ白星でもある。6月23日の広島戦以来、約3か月ぶりの勝利だった。
数字以上に注目したいフォークの復調試合後、杉内俊哉投手チーフコーチは戸郷の投球について、フォークで空振りを取れるようになり、直球も良かったと評価した。
「フォークで空振りが取れるように」「真っすぐもよかった」
この評価は重要だ。
戸郷の持ち味は、力のあるストレートと落差のあるフォークを組み合わせ、打者のタイミングを外す投球にある。フォークの空振りが増えると、打者は直球にも対応しにくくなる。
9月29日の登板では、その本来の投球スタイルが戻りつつあることを示した。
【登録抹消の時系列】5月昇格から7月の負傷、9月復帰まで
2026年の戸郷を追ううえで欠かせないのが、度重なる一軍登録の変化だ。
今季は開幕から順調に先発ローテーションを守ったわけではない。5月に一軍へ昇格した後、7月の負傷で離脱。8月にリハビリと実戦復帰を進め、9月に一軍へ戻った。
主な出来事を整理する。
| 時期 | 出来事 | 戸郷の状況 |
|---|---|---|
| 5月4日 | 一軍登録 | 一軍での登板機会を得る |
| 7月7日 | 阪神戦で負傷 | 左太もも裏を痛め途中交代 |
| 7月8日 | 一軍登録抹消 | 病院で肉離れと診断 |
| 8月19日 | ブルペン投球 | 95球を投げ、実戦復帰へ前進 |
| 8月26日 | ファームで実戦復帰 | 中日戦で4回1安打無失点 |
| 9月1日 | 一軍再登録 | DeNA戦で5回3失点 |
| 9月29日 | 広島戦に先発 | 8回2/3、1失点で5勝目 |
| 9月30日 | 一軍登録抹消 | 今季最終登板の翌日に公示 |
登録履歴と当時の報道を整理すると、7月の負傷離脱と9月の復帰が2026年の大きな転換点だった。
7月7日、阪神戦で左太もも裏を負傷アクシデントが起きたのは7月7日の阪神戦だった。
戸郷はこの試合で五回まで無安打無失点の投球を続けていた。しかし、五回裏の攻撃で三ゴロを打ち、一塁へ全力疾走した際に左太もも裏を痛めた。
そのまま緊急降板。翌8日、巨人は東京都内の病院で左太もも裏の肉離れと診断されたことを発表した。
プロ入り後初めての大きな負傷離脱となり、戸郷にとっても予想外の事態だった。
負傷直後は故障班に合流し、リハビリを開始。登板できない期間は、身体の状態を確認しながら復帰への準備を進めることになった。
8月には回復が進み、実戦復帰へ8月19日には、負傷後最多となる95球のブルペン投球を実施した。
当時の報道によると、投球動作だけでなく、ランニングや投内連係などの動きも段階的に回復。本人も投球自体は良好であると説明していた。
8月26日のファーム・リーグ中日戦では4回1安打無失点と好投。実戦で投げられる状態まで戻ってきた。
その後、9月1日のDeNA戦で一軍復帰を果たした。
9月1日の復帰登板は5回3失点復帰戦では最速152.2キロを記録した一方、5回5安打3失点、92球という内容だった。
約2か月ぶりの一軍マウンドであり、試合勘やフォームの感覚を取り戻す過程にあった。
試合後、戸郷は久しぶりの一軍登板で力が入ったことを振り返っている。
復帰直後から以前と同じ投球を求めるのではなく、登板を重ねながら状態を整える必要があった。
【9月30日の登録抹消理由】故障再発なのか?公示とCSの経緯を検証
検索する人が特に気になるのが、9月29日に5勝目を挙げた戸郷が、翌30日に登録抹消された理由だろう。
結論からいえば、9月30日の公示には抹消の具体的な理由までは記載されていない。
7月の抹消とは事情が異なる。
7月8日は左太もも裏の肉離れという診断が球団から発表されていた。一方、9月30日の公示は戸郷の登録抹消を伝えるもので、同じ故障が再発したという説明は掲載されていない。
9月30日の公示で分かること9月30日の出場選手登録・抹消公示では、巨人の戸郷翔征投手が抹消対象となった。
このとき、再登録が可能になるのは10月10日以降だった。
注目すべきなのは、戸郷が9月29日の広島戦を今季のレギュラーシーズン最終登板として終えていたことだ。
巨人には10月1日から3日まで公式戦が残っていたが、戸郷はその後のレギュラーシーズンに登板していない。
クライマックスシリーズに向けた動きもう一つ注目したいのが、再登録可能日とクライマックスシリーズの日程だ。
2026年のセ・リーグCSファーストステージは10月10日に開幕した。
10月9日の巨人の練習参加メンバーには、先発投手として戸郷の名前も掲載されていた。
つまり、9月30日の登録抹消だけをもって、戸郷が故障再発によって長期離脱したと判断することはできない。
ただし、実際のCSファーストステージでは巨人がDeNAに10月10日、11日と連敗して敗退。戸郷の登板機会はなかった。
11月3日現在の戸郷翔征の状況2026年11月3日時点では、巨人の2026年公式戦はすべて終了している。
したがって、現在の戸郷は今季の一軍公式戦を終えた状態として整理できる。
特に重要なのは、9月29日の登板で8回2/3を投げ、復帰後初勝利を挙げたことだ。杉内コーチも負傷前の状態に戻りつつあると評価していた。
今後の焦点は、左太もも裏のコンディションを維持しながら、長いシーズンを通して先発ローテーションを担える状態を作れるかどうかにある。
【球種・球速を分析】戸郷翔征の投球スタイルは何が強みなのか
戸郷翔征の投球は、ストレートを軸にフォーク、スライダーを組み合わせるスタイルだ。
2026年の投球データでは5種類の球種が確認できる。
| 球種 | 平均球速 | 最速 | 投球割合 |
|---|---|---|---|
| ストレート | 147.1km/h | 154km/h | 53.8% |
| フォーク | 134.3km/h | 141km/h | 24.3% |
| スライダー | 131.1km/h | 140km/h | 16.4% |
| カーブ | 125.5km/h | 132km/h | 5.0% |
| カットボール | 137.2km/h | 140km/h | 0.4% |
※2026年シーズンの投球データ。球速は記録上の平均値と最速値。
ストレートは投球全体の半分以上最も多く投げているのがストレートだ。
投球割合は53.8%。平均147.1キロ、最速154キロという球速を持ち、打者を押し込むための中心的な球種になっている。
2026年はストレートで46個の三振を奪っており、単にカウントを取るだけの球種ではない。
フォークは奪三振を生み出す決め球戸郷の投球を語るうえで欠かせないのがフォークだ。
平均134.3キロ、最速141キロ。投球割合は24.3%で、2026年はこの球種で27三振を奪っている。
ストレートとの球速差と落差によって、打者のタイミングを崩せることが強みだ。
9月29日の広島戦で杉内コーチがフォークの空振りを評価したのも、この球種が戸郷本来の投球を支える存在だからだ。
2026年のフォーム変更も要点9月29日の広島戦では、戸郷が登板2日前のブルペンで従来の投球フォームに戻す決断をしていた。
それまで取り組んでいた新しいフォームでは、直球の軌道などに納得できない部分があったという。
そこで、昨季までのフォームに戻して感覚を確かめた。
これは単純にフォームを元に戻したという話ではない。自分の投球を成立させるために、感覚と実際の球の軌道を照らし合わせた調整だった。
長く一軍で投げてきた戸郷だからこそ、自分の強みを再確認する選択ができたとも考えられる。
【2025年成績と比較】戸郷翔征はどこまで復調したのか
2026年の数字をより正確に評価するには、前年の2025年との比較が欠かせない。
2025年は戸郷にとって苦しいシーズンだった。
21試合に登板して8勝9敗、防御率4.14。投球回は111回で、奪三振は87だった。
2026年は登板数と投球回が減ったものの、防御率やWHIP、奪三振率は改善している。
2025年と2026年の主要成績比較| 項目 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|
| 登板 | 21 | 14 |
| 先発 | 20 | 14 |
| 勝敗 | 8勝9敗 | 5勝3敗 |
| 投球回 | 111回 | 80回 |
| 防御率 | 4.14 | 2.48 |
| 奪三振 | 87 | 82 |
| 奪三振率 | 7.05 | 9.23 |
| WHIP | 1.53 | 1.03 |
最も分かりやすい変化は防御率だ。
2025年の4.14から、2026年は2.48まで改善した。
WHIPも1.53から1.03へ低下している。これは、投球回当たりに許す走者が少なくなったことを意味する。
奪三振率も7.05から9.23に上昇。打者を三振に仕留める能力にも改善が見られる。
特に80イニングで82奪三振という数字は、決め球の精度が戻ってきたことを示す材料だ。
2024年の好調期と比較するとどうかさらに過去にさかのぼると、戸郷が高い完成度を見せたのは2024年だった。
- 2022年:12勝8敗、防御率2.62、154奪三振
- 2023年:12勝5敗、防御率2.38、141奪三振
- 2024年:12勝8敗、防御率1.95、156奪三振
- 2025年:8勝9敗、防御率4.14、87奪三振
- 2026年:5勝3敗、防御率2.48、82奪三振
2022年と2024年には最多奪三振のタイトルも獲得している。2024年は180イニングを投げ、防御率1.95という優れた成績を残した。
2026年は防御率だけを見れば2024年に及ばないが、2025年からの改善は明らかだ。
一方、投球回は80回にとどまっている。これは左太もも裏の負傷による離脱が大きく影響したためで、成績の改善と年間を通じた稼働実績は分けて評価する必要がある。
2026年は投球の質を取り戻したシーズンであり、年間を通じて先発ローテーションを守るという点では課題を残したシーズンだった。
【プロフィール・経歴・年俸推移】戸郷翔征はどんな投手なのか
読売ジャイアンツ・背番号20
2000年4月4日生まれ。宮崎県出身。右投右打。聖心ウルスラ学園高校から2018年ドラフト6位で巨人に入団した。
戸郷は高校時代から将来性を評価され、2018年のドラフトで巨人から6位指名を受けた。
2019年に一軍デビューを果たすと、2020年には19試合に登板して9勝を記録。若くして巨人の先発陣に加わり、着実に実績を積み上げた。
その後も先発として成長し、2022年と2024年には最多奪三振のタイトルを獲得。2024年には12勝8敗、防御率1.95という好成績を残している。
戸郷翔征の基本プロフィール| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 戸郷翔征 |
| 生年月日 | 2000年4月4日 |
| 年齢 | 26歳(2026年) |
| 出身地 | 宮崎県 |
| 身長 | 187cm |
| 体重 | 85kg |
| 投打 | 右投右打 |
| ポジション | 投手 |
| 所属 | 読売ジャイアンツ |
| 背番号 | 20 |
| 出身高校 | 聖心ウルスラ学園高校 |
| ドラフト | 2018年6位 |
| 主なタイトル | 最多奪三振(2022年・2024年) |
戸郷の年俸は、プロ入り後の成長とともに上昇してきた。
週刊ベースボールONLINE掲載の年俸データによると、主な推移は以下のとおりだ。
| 年度 | 年俸 |
|---|---|
| 2019年 | 500万円 |
| 2020年 | 650万円 |
| 2021年 | 2,600万円 |
| 2022年 | 4,000万円 |
| 2023年 | 9,000万円 |
| 2024年 | 1億8,000万円 |
| 2025年 | 3億円 |
| 2026年 | 2億4,000万円 |
2025年には3億円に到達したが、2026年は2億4,000万円と掲載されている。
この推移からも、戸郷が巨人の中心的な先発投手として高く評価されてきたことが分かる。
2026年は前年より年俸が下がったものの、今季の防御率2.48という数字は、再び先発陣の中心に戻るための重要な材料になった。
【今後の注目点】巨人の先発ローテーションに戸郷は戻れるのか
戸郷の今後を考えるうえで、最大のテーマは先発としての安定稼働だ。
2026年は防御率2.48、82奪三振という好成績を残した。しかし、登板数は14試合、投球回は80回にとどまった。
2024年の26試合、180イニングと比較すれば、シーズンを通じた稼働量には大きな差がある。
注目点1:左太もも裏のコンディションまず確認したいのが、7月に負傷した左太もも裏の状態だ。
先発投手は登板時の投球動作だけでなく、走塁や守備でも下半身を使う。
戸郷の場合、今回の負傷は打席での全力疾走がきっかけだった。復帰登板で投げられることと、長いシーズンを問題なく戦えることは別の課題になる。
今後は登板間の調整、ランニング、守備動作を含めて、継続的にコンディションを維持できるかが重要だ。
注目点2:フォームとフォークの再現性2026年9月29日の広島戦では、従来のフォームに戻したことで投球内容が改善した。
特にフォークで空振りを奪えたことは大きい。
ただし、一度好投しただけでフォームの問題がすべて解決したと判断するのは早い。
重要なのは、登板ごとに同じフォームで安定した球を投げられるかどうかだ。
直球の球威、フォークの落差、スライダーの制球がそろえば、戸郷本来の投球スタイルを再現しやすくなる。
注目点3:巨人の先発ローテーションでの役割読売ジャイアンツにとって、戸郷は先発ローテーションを支える重要な存在だ。
2026年は負傷離脱の影響で登板機会が限られたが、復帰後の投球内容を見る限り、先発としての能力を取り戻す可能性は十分に示した。
今後の評価では、次の3点が判断材料になる。
- シーズンを通じて先発登板を継続できるか。
- 1試合当たりの投球回を安定して伸ばせるか。
- ストレートとフォークを軸に、奪三振を取れる状態を維持できるか。
特に、年間を通じてローテーションを守れるかどうかは、2027年以降の戸郷を評価する重要な基準になる。
【巨人・戸郷翔征】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:戸郷翔征の2026年の成績は?
2026年の一軍成績は14試合先発、5勝3敗、防御率2.48、80回82奪三振。WHIPは1.03で、2025年と比較して投球内容が改善した。
Q2:戸郷翔征が2026年に登録抹消された理由は?
7月8日の抹消は、7月7日の阪神戦で左太もも裏を負傷し、病院で肉離れと診断されたため。9月30日の抹消については、公示に具体的な理由は記載されていない。7月の負傷と同じ理由だと断定することはできない。
Q3:戸郷翔征は左太もも裏の肉離れからいつ復帰した?
2026年9月1日のDeNA戦で一軍復帰した。約2か月ぶりの先発で、5回5安打3失点。その後、9月29日の広島戦で8回2/3を投げ、復帰後初勝利を挙げた。
Q4:戸郷翔征の球速は最速何キロ?
2026年の投球データではストレートの最速154キロ。平均球速は147.1キロだった。
Q5:戸郷翔征の2026年の年俸はいくら?
週刊ベースボールONLINE掲載の年俸推移では2億4,000万円。2025年の3億円から減額されている。
Q6:戸郷翔征は2026年のクライマックスシリーズに登板した?
2026年のCSファーストステージ前の練習参加メンバーには名前があったが、巨人はDeNAに2連敗して敗退。戸郷の登板機会はなかった。
2026年の戸郷翔征は、左太もも裏の肉離れという大きなアクシデントに見舞われながらも、一軍に復帰し、最終的に5勝3敗、防御率2.48、82奪三振という成績を残した。
特に2025年の防御率4.14から2.48へ改善した点は評価できる。WHIP1.03、奪三振率9.23という数字も、投球内容が上向いたことを裏付けている。
一方で、80イニングという投球回数は、過去の実績と比較すると物足りない。2024年のように年間を通じて先発ローテーションを守ることが、次の目標になる。
9月29日の広島戦で見せた8回2/3、1失点の投球は、戸郷の復調を印象づける登板だった。
2026年は完全復活を証明したシーズンというより、エースとして再び立ち上がるための足場を築いたシーズンだった。
2027年に向けて注目したいのは、故障からの回復を一時的な好投で終わらせず、年間を通じた安定した投球へつなげられるかどうか。巨人の先発陣を支える背番号20が、本来の姿を取り戻せるかが大きな見どころとなる。