新型パジェロは、全長4,920mmの大型SUVだ。3列シートを備え、最大7人が乗車できる。従来の本格オフロード車にありがちな実用性の制約を抑え、家族での長距離移動や日常利用にも配慮したパッケージングが特徴となっている。
新型パジェロのボディサイズ| 項目 | 公式公表値 |
|---|---|
| 全長 | 4,920mm |
| 全幅 | 1,925mm |
| 全高 | 1,910mm |
| 室内長 | 2,775mm |
| 室内幅 | 1,575mm |
| 室内高 | 1,235mm |
| 乗車定員 | 7人 |
| シート構成 | 3列シート |
※GSRとGLSの全高は1,900mm。SUPER EXCEEDでサンルーフを装着した場合、室内高は1,190mmとなる。
3列シートは大人も乗れる設計今回の新型モデルで注目したいのが、3列目シートへの配慮だ。
三菱自動車の公式発表では、3列目に大人が座った場合も、ヘッドクリアランスと床面からの着座高さを確保できるよう設計したとしている。
2列目には150mmのロングスライド機構を採用。タンブル機構も備え、3列目への乗り降りをしやすくした。
単に7人乗りという数字を実現するだけでなく、後席の使いやすさにも手を入れている点は評価できる。
全幅1,925mmは購入前に確認したい一方で、全幅1,925mmというサイズは、日本の住宅街や古い立体駐車場では注意が必要だ。
特に確認したいのは次の3点。
- 自宅駐車場の幅と出入口の余裕
- 契約している月極駐車場の車両制限
- 商業施設やマンションの立体駐車場の対応サイズ
全長だけでなく全幅と全高も確認しておくことが大切だ。
また、オフロード走行では最低地上高230mm(20インチタイヤ装着車)を確保している。都市部の使いやすさと悪路性能を両立させようとした設計が、新型パジェロの大きな特徴となっている。
【歴代パジェロと新型を比較!トライトンのラダーフレームで何が変わった?】

パジェロの歴史を理解するには、1982年の初代から2019年の国内生産終了までの進化を振り返る必要がある。
新型パジェロは単に旧型のデザインを復刻した車ではない。歴代モデルが積み重ねてきた悪路走破性と快適性という思想を引き継ぎながら、車体構造を大きく変更したモデルだ。
初代から4代目までの進化初代:1982年登場
1982年に登場した初代は、本格的な4WDの悪路走破性と乗用車の快適性を融合させたモデルだった。
1983年にはダカールラリーに参戦。世界的なラリー競技で実績を積み重ね、パジェロのブランドイメージを確立していった。
2代目:1991年登場
1991年のフルモデルチェンジでは、スーパーセレクト4WDを採用。フルタイムとパートタイムの長所を組み合わせた4WD技術が、パジェロの大きな特徴となった。
1990年代のRVブームを牽引した世代でもある。
3代目:1999年登場
3代目では、従来のラダーフレーム構造からビルトインフレームモノコック構造へ転換した。
これにより、軽量化や低重心化、オンロードでの操縦安定性向上を目指した。悪路だけでなく高速道路でも快適に走れるSUVへと進化した世代だ。
4代目:2006年登場
4代目は2006年に登場し、2019年まで国内販売された。
ビルトインフレームモノコック構造を引き継ぎながら、ASTCなどの電子制御技術を採用。走破性と安全性、快適性を熟成させたモデルとなった。
2019年には国内向け生産を終了し、海外向けも2021年に生産終了となった。
新型はトライトンのラダーフレームを採用2026年モデルで最も大きな技術的転換点が、車体構造だ。
三菱自動車は2026年5月29日の発表で、新型パジェロにピックアップトラック「トライトン」のラダーフレームをベースとした構造を採用すると明らかにした。
ただし、トライトンの車体をそのまま流用したわけではない。
フレームに改良を加え、キャビンや前後サスペンションを専用開発している。
さらに10月29日の正式発表では、高張力鋼板の採用やフレーム断面の拡大、クロスメンバーの構造変更などによって、重量を抑えながら高いねじり剛性と曲げ剛性を実現したと説明している。
サスペンションは次の構成だ。
- フロント:ダブルウィッシュボーン式独立懸架
- リヤ:新開発5リンク式リジッドサスペンション
ここに、悪路での振動を抑えるボディマウント技術を組み合わせることで、走破性だけでなく乗り心地も追求している。
つまり、4代目までのビルトインフレームモノコックから、トライトンを基盤とするラダーフレームへと方向性を変えたことが、新型の大きな特徴なのである。
2026年度グッドデザイン賞も受賞新型パジェロは、2026年度グッドデザイン賞を受賞している。
デザイン面では、歴代モデルのDNAを受け継ぐスクエアで力強いプロポーションが特徴だ。
初代のロールバーから着想を得たCピラーや、歴代モデルの背面タイヤをモチーフにした六角形のリアデザインなど、過去のパジェロを連想させる要素が取り入れられている。
一方、フロントにはT字型のライトシグネチャーを採用。現代的な存在感も加えた。
インテリアでは、日本の伝統工芸「木目込み」に着想を得た縫製技法を取り入れ、機能性と上質感の両立を目指している。
グッドデザイン賞の受賞は、単なる懐古的な復刻ではなく、新しいフラッグシップとしてのデザインが評価されたことを示す材料となる。
【新型パジェロの評判と購入メリット・注意点!おすすめできる人は?】
約5,500台という予約受注は、新型パジェロに対する期待の大きさを示している。
ただし、2026年11月5日時点では日本での正式発売前であり、実際の納車後の長期的な評価はまだ形成されていない。
現段階では、予約状況と公表された技術・装備をもとに、購入する価値と注意点を整理するのが適切だ。
新型パジェロを購入するメリット1. 本格的な悪路走破性を備えている
ラダーフレーム、スーパーセレクト4WD-II、S-AWC、7つのドライブモードを組み合わせている。
雪道や砂利道、泥濘路など、一般的な乗用SUVでは走行条件が厳しくなる環境にも対応できる構成だ。
2. ディーゼルエンジンの力強さ
最大トルク480N・mの2.4Lディーゼルターボは、長距離移動や登坂、積載時の走行を重視する人に魅力的な仕様となっている。
3. 7人乗りでファミリーにも対応
3列シートを採用し、家族での旅行やアウトドアなど幅広い用途を想定できる。
4. 安全装備が充実している
高速道路同一車線運転支援機能のMI-PILOTや、三菱e-Assistを搭載。
8つのエアバッグに加え、3Dマルチアラウンドモニターなども採用されている。
5. 新世代フラッグシップとしての高級感
本革シートやヤマハ共同開発のオーディオなど、上級グレードでは快適装備も充実している。
購入前に確認したい5つの注意点| 注意点 | 購入前の確認事項 |
|---|---|
| 車両価格 | オプション込みの総額を確認 |
| 車体サイズ | 駐車場の幅・高さ・長さを確認 |
| 燃費 | WLTC値12.1km/Lを参考に年間燃料費を試算 |
| 生産時期 | EXCEED・GLSは2027年4月生産予定 |
| 維持費 | 自動車税、保険、タイヤ、整備費用を確認 |
特に注意したいのは、価格と維持費を別々に考えないことだ。
車両本体価格が619万円を超えるため、オプションや登録諸費用を加えると購入予算はさらに大きくなる。
また、大径タイヤを装着した大型SUVである以上、タイヤ交換などの消耗品費用も事前に販売店へ確認しておきたい。
こんな人におすすめ- 本格的な4WD性能を重視する人
- キャンプやアウトドア、雪道走行を楽しみたい人
- 7人乗りの大型SUVを探している人
- ディーゼルの力強いトルクを求める人
- 歴代パジェロの伝統と新しい装備の両方に魅力を感じる人
- 街中での取り回しや駐車のしやすさを最優先する人
- 燃費性能を最重要視する人
- 600万円未満の予算で大型SUVを探している人
- ハイブリッドや電気自動車を希望する人
- 発売直後に必ず納車されることを希望する人
新型パジェロの魅力は、本格4WDとしての能力と日常の快適性を両立させようとしている点にある。一方で、全員にとって最適なSUVというわけではない。
自分の生活環境や走行目的に合うかどうかを見極めることが、購入後の満足度につながる。
【プロの結論】5,500台の予約だけで判断してはいけない新型パジェロの予約が年度目標を上回ったことは、ブランド復活に対する市場の期待を示している。
しかし、予約台数は人気の指標であって、実際の走行性能や耐久性、購入後の満足度を証明する数字ではない。
本当に注目すべきなのは、トライトン由来のラダーフレームと専用サスペンション、スーパーセレクト4WD-II、S-AWCという技術的な組み合わせだ。
これらが実際の日本の道路環境でどれほど快適性と走破性を両立できるのか。発売後の試乗評価や実燃費、長期使用での耐久性が、今後の評判を左右することになる。
購入を急ぐよりも、実車を確認し、可能であれば試乗してから決めることが賢明だ。
【新型パジェロの日本発売に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:新型パジェロの日本発売日はいつですか?
A1:2026年12月17日(木)です。三菱自動車が2026年10月29日に正式発表しました。
Q2:新型パジェロの価格はいくらですか?
A2:619万3,000円~795万800円です。GLSが最も安く、SUPER EXCEEDが最上級グレードとなります。いずれも消費税込みのメーカー希望小売価格です。
Q3:予約受注は何台に達していますか?
A3:2026年10月28日時点で約5,500台です。年度販売目標を上回ったと三菱自動車が発表しています。
Q4:新型パジェロの燃費はどのくらいですか?
A4:WLTCモードで12.1km/Lです。全4グレードに2.4Lクリーンディーゼルターボを採用しています。
Q5:新型パジェロは7人乗りですか?
A5:はい。全グレードが3列シートの7人乗り仕様です。2列目には150mmのロングスライド機構を採用しています。
Q6:新型パジェロはトライトンと同じ車ですか?
A6:同じ車ではありません。トライトンのラダーフレームをベースに改良し、キャビンや前後サスペンションを専用開発した別モデルです。
Q7:新型パジェロは旧型から何が変わりましたか?
A7:車体構造、エンジン、4WD制御、安全装備、室内空間などが進化しています。特に、旧型のビルトインフレームモノコック構造から、トライトンをベースとするラダーフレームへ変更された点が大きな違いです。
2026年12月17日に日本発売となる新型パジェロは、三菱自動車の伝統的な4WD技術と新世代の快適性を融合させたフラッグシップSUVだ。
価格は619万3,000円から795万800円。SUPER EXCEED、EXCEED、GSR、GLSの4グレードを設定し、2.4Lクリーンディーゼルターボと8速AT、スーパーセレクト4WD-II、S-AWCを採用する。
予約受注約5,500台という数字も、7年ぶりの国内復活に対する期待の大きさを物語っている。
一方で、車両価格や大きなボディサイズ、燃費、グレードごとの生産時期など、購入前に確認すべき点もある。
パジェロの復活を待っていたファンにとってはもちろん、本格的な悪路走破性とファミリーSUVとしての使いやすさを両立した車を探している人にとっても、注目すべき一台だ。
新型パジェロの真価が問われるのは、発売後の実走行評価とオーナーの声が集まり始めてからだ。 伝統の名前だけでなく、新しい時代のパジェロとして市場に定着できるか。その動向に注目したい。
主な情報源:三菱自動車工業の2026年10月29日付発売発表、2026年9月2日付世界初披露発表、2026年5月29日付復活発表、公式車種ページおよび歴代パジェロの公式ヒストリー。