阪神タイガースの内野手・木浪聖也は、2023年に打率.267、127試合出場を記録し、遊撃手としてゴールデングラブ賞も獲得した選手だ。一方、2024年以降は打率が低下し、2025年には.193まで落ち込むなど、安定したレギュラーの座をめぐって厳しい競争が続いている。
2026年11月現在、NPB公式の年度別成績では、木浪は2026年シーズンに64試合出場、打率.211、32安打、17打点を記録した。開幕当初は遊撃のレギュラーとして起用されたものの、シーズン途中には出場選手登録を抹消され、8月に再昇格するという変化も経験している。2023年の飛躍から現在までの数字を追うと、打撃力だけでは測れない木浪の価値と、阪神の二遊間をめぐる競争が見えてくる。
【阪神・木浪聖也の現在】2026年の成績とチーム内での立ち位置

木浪聖也は1994年6月15日生まれ、青森県出身の内野手。右投左打で、青森山田高校、亜細亜大学、Hondaを経て、2018年のドラフト3位で阪神タイガースに入団した。
プロ入り後は主に遊撃手として出場し、二塁や三塁にも対応できる内野手として経験を積んできた。プロ1年目の2019年には113試合に出場し、打率.262を記録。新人ながら一定の出場機会を得て、阪神の内野陣に定着する足掛かりをつくった。
2026年シーズンは、開幕当初から遊撃のレギュラーとして起用された。しかし、7月13日に今季初めて出場選手登録を抹消され、約1カ月間ファームで調整することになった。
8月9日には再び1軍登録。日刊スポーツによると、ファームでは14試合に出場し、打率.234ながら直近4試合連続安打、3試合連続打点を記録していた。
2026年シーズン終了時のNPB公式記録は次のとおりだ。
- 出場試合数:64試合
- 打数:152
- 安打:32
- 打率:.211
- 本塁打:1
- 打点:17
- 出塁率:.258
- 長打率:.250
注目したいのは、2025年の打率.193から.211へ上昇した点だ。大幅な復活と呼べる数字ではないが、打率は前年を上回っている。
また、2026年は64試合で17打点を記録。2025年の72試合15打点と比較すると、出場機会が少ないなかでも打点を積み上げた。
ただし、打率と出塁率は依然として課題が残る水準だ。2023年のように年間を通して打席に立ち続ける存在へ戻れるかが、今後の評価を左右する。
【木浪聖也の年度別成績】2019〜2026年の打率推移をNPB公式記録で比較
木浪のキャリアを理解するうえで欠かせないのが、年度別の打撃成績だ。
NPB公式の個人年度別成績を確認すると、2019年から2022年にかけて打率が徐々に低下し、2023年に大きく上昇。その後、2024年、2025年と再び数字を落としている。
2019〜2026年の打率・出場試合数| 年度 | 試合 | 打数 | 安打 | 打率 | 打点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2019年 | 113 | 363 | 95 | .262 | 32 |
| 2020年 | 92 | 297 | 74 | .249 | 25 |
| 2021年 | 92 | 119 | 27 | .227 | 15 |
| 2022年 | 41 | 93 | 19 | .204 | 6 |
| 2023年 | 127 | 408 | 109 | .267 | 41 |
| 2024年 | 116 | 359 | 77 | .214 | 35 |
| 2025年 | 72 | 181 | 35 | .193 | 15 |
| 2026年 | 64 | 152 | 32 | .211 | 17 |
※2026年はシーズン終了時のNPB公式記録。
2023年はキャリアの大きな転換点最も注目すべき数字は、やはり2023年の打率.267だ。
2022年は41試合、打率.204だった木浪が、翌年には127試合に出場。安打数も19本から109本へ大きく増加した。
打点も2022年の6打点から41打点へ上昇している。単に出場機会が増えただけでなく、試合のなかで結果を残し、チームの得点に関わる場面が増えたことが分かる。
2024年は打率が.214に低下2024年は116試合に出場したものの、打率は.214。前年と比較して打率が5分3厘低下し、安打数も109本から77本へ減少した。
一方、打点は35を記録している。打率の低下だけで打者としての貢献すべてを判断するのは適切ではないが、2023年と同じ水準の打撃を継続できなかったことは明らかだ。
2025年から2026年にかけての変化2025年は72試合、打率.193。2026年は64試合、打率.211だった。
打率はわずかに回復したものの、2023年の.267には届いていない。
なお、スポーツナビやBaseball Kingなどの選手成績ページでも年度別の数字を確認できるが、途中経過とシーズン終了時の記録が混在する場合がある。2026年の最終成績を確認する際は、NPB公式の2026年シーズン終了時点の記録を基準にするのが確実だ。
【木浪聖也の打撃評価】2023年の復調理由と2024年以降の課題
木浪の打撃を評価する際には、打率だけでなく、安打数、打点、出塁率、長打率を合わせて見る必要がある。
2023年に評価を高めた理由2023年の木浪は、打率.267、109安打、41打点という数字を残した。
加えて、二塁打は22本。四球も31個を選び、出塁率は.320だった。
一方、本塁打は1本、長打率は.333。長距離打者として相手投手にプレッシャーを与えるタイプではなく、安打を積み重ねて攻撃をつなぐ役割に強みがあった。
2023年の打撃を評価する要点は次の3つだ。
- コンタクト能力: 100安打を超える安打数を記録し、打線のつなぎ役として機能した。
- 得点への貢献: 41打点を記録し、走者を返す役割も果たした。
- 継続的な出場: 127試合に出場し、年間を通して打席に立つ機会を得た。
2022年から2023年への変化を見ると、打席数は101から470へ増えている。試合に出続けることで打席の経験を積み、攻守両面で自信を深められたことは、復調を考えるうえで重要な材料だ。
ただし、打率上昇の原因を特定の打撃フォーム変更や練習方法だけに結び付ける根拠はない。数字から読み取れるのは、出場機会の増加と、それに伴って結果を残したという事実である。
2024年以降に見えた打撃面の課題2024年は打率.214、出塁率.285、長打率.265。2025年には打率.193まで低下した。
2026年は打率.211まで戻したものの、出塁率は.258にとどまっている。
レギュラーを確保するためには、単発の安打だけでなく、四球を選ぶ能力や、相手投手の配球に対応する打席の質も求められる。
特に遊撃手は守備負担の大きいポジションだ。守備で一定の信頼を得ている選手でも、打撃が低迷すれば、攻撃力を重視するチーム編成のなかで出場機会を失う可能性がある。
木浪にとって重要なのは、2023年の打率をそのまま再現することだけではない。出塁率を改善し、安定して攻撃に参加できる打者へ戻ることが課題となる。
【木浪聖也の守備評価】ゴールデングラブ賞と中野拓夢との併殺プレー
木浪の評価を語るうえで、打撃と同じくらい重要なのが守備だ。
2023年にはセ・リーグ遊撃手部門のゴールデングラブ賞を初受賞した。阪神の遊撃手としては鳥谷敬以来、8年ぶりの受賞だった。
日刊スポーツの報道によると、木浪は157票を獲得。2位のヤクルト・長岡秀樹の88票に69票差をつけた。
2023年のレギュラーシーズンでは127試合に出場し、失策は10。守備率は.982で、セ・リーグ遊撃手の2位だった。
岡田彰布監督も、実戦経験を重ねるなかで守備が上達していることを評価していた。
中野拓夢との「ナカキナ」併殺プレー木浪と中野拓夢の二遊間を象徴するプレーとして知られるのが、2023年7月16日の中日戦だ。
甲子園で行われた試合の8回表、無死一塁の場面。中日の岡林勇希が放った二遊間へのゴロを、中野がバックハンドで捕球した。
そのままグラブでボールを木浪へトス。木浪は絶妙な高さの送球を受けて二塁ベースを踏み、素早く一塁へ転送して併殺を完成させた。
この一連のプレーは、かつて中日で活躍した荒木雅博・井端弘和の二遊間コンビを連想させるとして話題になった。
中野は試合後、併殺を取るためにグラブトスを選択したと説明。木浪との連携が見事にかみ合ったプレーだった。
このプレーで重要なのは、単に華麗な技術を披露したことではない。
二塁手と遊撃手の間で、捕球位置、送球の高さ、ベースへの入り方、次の送球までの動作が連続して成立している点だ。
二遊間は内野守備の中心であり、両者の連係が崩れれば失点につながる。中野と木浪の組み合わせは、守備面で阪神に大きな安心感をもたらした時期があった。
木浪の守備は本当に評価できるのかゴールデングラブ賞は守備面での評価を示す大きな実績だ。しかし、受賞したことだけで毎年の守備力が保証されるわけではない。
2023年の受賞実績と、その後の出場機会の変化は分けて考える必要がある。
木浪の強みは、遊撃を中心に内野を守れる対応力と、中野との連係経験だ。一方、継続してレギュラーを務めるには、失策を抑えることに加え、守備範囲や送球の安定性を保つことも欠かせない。
【近本光司と木浪聖也】2020年のお立ち台共演と「キナチカ」の関係
木浪を語る際に外せないのが、近本光司との関係だ。
2人は2018年ドラフトで阪神に入団した同学年の選手で、近本がドラフト1位、木浪がドラフト3位。社会人野球を経てプロ入りしたという共通点もある。
プロ入り後は1、2番コンビを組んだこともあり、ファンの間では「キナチカ」という呼び名でも親しまれた。
2020年10月27日の初お立ち台2人がプロ入り後初めてお立ち台で共演したのは、2020年10月27日の中日戦だった。
甲子園で行われた試合は阪神が4対1で勝利。
木浪は2回に先制となる3号ソロ本塁打を放ち、近本は8回に決勝の2点適時三塁打を記録した。
それぞれが勝利に貢献し、試合後には2人そろってヒーローインタビューに登場した。
日刊スポーツによると、近本は以前から一度は一緒にお立ち台に立ちたいと思っていたと喜びを語った。
木浪も近本について、隣にいてくれる存在なので「ずっといてほしいです」とコメント。2人の関係性が伝わる場面となった。
近本と木浪の関係が阪神にもたらしたもの近本は外野の中心選手として、木浪は内野の中心選手として、それぞれ異なる役割を担ってきた。
共通しているのは、2018年ドラフトで入団し、阪神のチームづくりを支えてきた世代であることだ。
2020年のお立ち台共演は、単なる仲の良い選手同士のエピソードではない。2人がそれぞれの役割で試合を決定づけた結果、同じ舞台に立ったという点に価値がある。
【木浪聖也のレギュラー争い】小幡竜平らとの競争と今後の課題
2026年の阪神における遊撃手争いは、木浪の今後を左右する重要なテーマだ。
2023年には127試合に出場してゴールデングラブ賞を獲得した木浪だが、2024年以降は打撃成績が低下。2025年には出場が72試合に減少した。
さらに2026年も、シーズン途中で1軍登録を抹消される経験をしている。
競争相手は小幡竜平らの内野手遊撃のポジションをめぐっては、小幡竜平をはじめとする複数の内野手が競争相手となる。
2026年8月の報道では、木浪が1軍登録を抹消された一方、小幡も8月8日に登録抹消となっていた。
チーム事情によって起用する選手が変わる状況であり、木浪にとってもポジションが確約されているわけではない。
2026年の起用状況を整理すると、次のようになる。
| 時期 | 出来事 | 意味 |
|---|---|---|
| 2026年開幕 | 遊撃のレギュラーとして起用 | 先発争いで優位なスタート |
| 7月13日 | 今季初の1軍登録抹消 | 出場機会を失いファームへ |
| 8月9日 | 約1カ月ぶりに1軍復帰 | ファームでの結果を経て再昇格 |
| 2026年シーズン終了 | 64試合、打率.211 | レギュラー定着には課題が残る |
1. 打率と出塁率の改善
2026年の打率は.211、出塁率は.258。2023年の打率.267、出塁率.320と比較すると、打撃面の差は大きい。
まずは安打を安定して積み重ね、出塁機会を増やすことが必要になる。
2. 遊撃守備の安定
2023年のゴールデングラブ賞は大きな実績だ。中野との連係も含め、守備面での経験は木浪の強みとなる。
ただし、過去の受賞実績だけでは現在のポジションを維持できない。毎試合の守備で安定感を示すことが求められる。
3. 代打や途中出場でも結果を残す
日刊スポーツの2026年8月の報道では、木浪は勝負強い打撃に加えて代打での仕事ぶりも評価されていた。
先発出場が難しい状況でも、途中出場で結果を残せば起用の幅は広がる。
木浪に求められるのは、単にレギュラーとして試合に出ることではない。先発でも途中出場でも、チームに必要とされる役割を果たせる選手であり続けることだ。
【阪神木浪に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:木浪聖也の2023年の成績は?
A1:2023年は127試合に出場し、打率.267、109安打、1本塁打、41打点を記録した。遊撃手部門のゴールデングラブ賞も初受賞している。
Q2:木浪聖也の2026年現在の打率は?
A2:2026年シーズン終了時のNPB公式記録では打率.211。64試合に出場し、32安打、1本塁打、17打点を記録した。
Q3:木浪聖也と中野拓夢の併殺プレーはいつ話題になった?
A3:2023年7月16日の中日戦だ。中野がグラブトスで木浪にボールを渡し、木浪が一塁へ送球して併殺を完成させた。荒木・井端の「アライバコンビ」を連想させるプレーとして注目された。
木浪聖也は、2019年のプロ入りから阪神の内野を支えてきた選手だ。
2023年には打率.267、127試合出場、109安打、41打点を記録し、遊撃手部門のゴールデングラブ賞も獲得。中野拓夢との併殺プレーや、近本光司とのお立ち台共演など、阪神ファンの記憶に残る場面も多い。
一方、2024年以降は打率が低下し、2026年も64試合、打率.211という結果に終わった。2023年のような安定したレギュラーとしての活躍を取り戻すには、打撃面の改善が欠かせない。
木浪の評価を判断する際には、次の3点を押さえておきたい。
- 打撃は2023年がキャリアの代表的な実績であり、2024年以降は改善が必要。
- 守備はゴールデングラブ賞の受賞歴と、中野との連係プレーが示すように大きな強みを持つ。
- 2026年は1軍復帰を果たしたものの、遊撃のレギュラー争いは引き続き重要な課題となっている。
打率だけを見れば、現在の木浪は2023年の水準に戻ったとはいえない。しかし、守備経験、複数の内野ポジションへの対応力、勝負どころでの打撃という強みは残されている。
阪神の内野陣で再び欠かせない存在になれるか。2027年以降も、木浪聖也の打撃の改善と遊撃手争いが注目される。
主な根拠資料・記録照合
- NPB公式「木浪聖也 個人年度別成績」および阪神タイガース公式選手プロフィール
- 日刊スポーツ(2023年11月11日・ゴールデングラブ賞受賞報道)
- 日刊スポーツ(2023年7月16日・中野拓夢との併殺プレー)
- 日刊スポーツ(2020年10月27日・近本光司との初お立ち台)
- 日刊スポーツ、デイリースポーツ(2026年8月の1軍復帰報道)
確認資料: