2026年11月5日現在、カメムシの発生状況を確認するうえで重要なのが、農林水産省が公開している2026年の果樹カメムシ類の注意報・警報と全国の発生動向です。
2023年のデータと比較すると、2026年も広い地域で警戒が必要な状況が続いていることが分かります。
2026年10月14日時点で31府県に注意報・警報農林水産省が公表した2026年10月14日時点の資料によると、果樹カメムシ類の注意報・警報は次の状況でした。
50件

注意報・警報の発表件数
31府県
発表した都道府県数1件
警報の内数
出典:農林水産省「令和8年の果樹カメムシ類の注意報・警報の発表状況」2026年10月14日現在。
発表地域は北海道から九州まで広がっており、2026年も地域ごとに警戒が必要な状況です。
2026年10月15日時点で発生量が多い地域農林水産省の全国発生動向資料では、都道府県ごとの状況が整理されています。
特に発生量が「多い」とされた地域には、次のような場所があります。
- 千葉県
- 岐阜県
- 愛知県
- 三重県
- 滋賀県
- 奈良県
- 和歌山県
- 岡山県
このほか、神奈川県、福井県、大阪府、兵庫県、鳥取県、広島県、徳島県、香川県、愛媛県などでは「やや多い」とされた地域もあります。
農林水産省の2026年10月7日発表の病害虫発生予報第8号でも、東海と四国の一部で果樹カメムシ類の発生が多くなると予想されていました。
ただし、これは果樹への被害を対象にした発生予察です。一般住宅への飛来数を直接示すデータではありません。
2026年の越冬密度にも地域差2026年の発生を考えるうえで、春に公表された越冬密度調査も参考になります。
農林水産省が2026年5月11日時点でまとめた調査では、平年と比較して越冬密度が多い地域が確認されています。
具体例は次のとおりです。
- 埼玉県:複数種を対象とした調査で、平年比「多」。
- 三重県:チャバネアオカメムシとクサギカメムシが平年比「多」。
- 滋賀県:チャバネアオカメムシが平年比「多」。
- 広島県:チャバネアオカメムシとクサギカメムシが平年比「多」。
- 山口県:クサギカメムシが平年比「多」。
- 佐賀県:チャバネアオカメムシが平年比「多」。
- 熊本県:チャバネアオカメムシが平年比「多」。
例えば滋賀県のチャバネアオカメムシは、50リットル当たりの調査結果が8.13頭で、平年値の1.11頭を上回っています。
三重県ではクサギカメムシが100頭/地点で、平年値の34.4頭/地点を上回りました。
ただし、各都道府県で調査方法や調査時期が異なるため、数値をそのまま県同士で比較することはできません。
また、越冬密度が高いことと、その年の住宅周辺や果樹園で必ず大量発生することも同じではありません。球果の量や気象条件、その後の飛来状況も関係します。
2023年と2026年のカメムシ発生状況はどう違う?両年を比較する際には、何を測定した数字なのかが重要です。
2023年はLINEヤフーの検索データが注目度を示す重要な資料でした。一方、2026年は農林水産省の注意報・警報や越冬密度調査が、発生状況を把握するうえで重要な資料となっています。
主な違いは次のとおりです。
- 2023年: 検索量が前年の2倍以上。関東・中部で早く検索が増え、関西や山陰でも秋に大きなピークがあった。
- 2026年: 10月14日時点で31府県、50件の注意報・警報が発表されていた。
- 発生地域: 2023年は検索特徴度で大阪・兵庫が目立ち、2026年は農林水産省の調査で東海、近畿、中国、四国など複数地域の多発が確認された。
- 発生の背景: 両年とも地域ごとの気象条件、餌となる植物、越冬状況などを考慮する必要がある。
2023年の13都府県という注意報発表実績と、2026年の50件という発表件数は、集計期間や集計方法が異なるため、単純に倍率で比較できません。
また、2026年の注意報発表件数が多いからといって、2023年より全国のカメムシの個体数が多いと結論づけることもできません。
2023年は検索行動から見た社会的な注目度、2026年は公的な発生予察から見た農業上の警戒状況が、それぞれ要点です。
【プロの結論】カメムシ大量発生を見極める3つの判断基準
2023年から2026年までの状況を振り返ると、カメムシ問題には単純な全国共通の発生パターンがないことが分かります。
今後の発生状況を判断する際には、次の3点を押さえておくことが大切です。
1. 全国ニュースより地域の発生予察を優先するカメムシの発生は、地域の植生や気温、餌の量などによって異なります。
全国的な大量発生というニュースを見ても、自分の住む地域で同じ規模の発生が起きているとは限りません。
農林水産省がまとめる全国情報に加え、各都道府県の病害虫防除所が発表する情報を確認することが有効です。
2. 越冬密度とその年の発生量を分けて考える春の越冬密度調査は、その年の発生リスクを考える材料になります。
しかし、越冬した個体が多くても、気象条件や餌の状況によって、その後の発生状況は変わります。
春の調査結果だけで秋の大量発生を断定するのではなく、夏以降の予察灯やフェロモントラップの誘殺数も確認する必要があります。
3. 果樹カメムシと斑点米カメムシを区別する果樹への被害と水稲への被害では、対象となる種類や防除時期が異なります。
果樹農家は果樹カメムシ類の飛来情報、水稲生産者は斑点米カメムシ類の発生予察を確認することが基本です。
家庭で見かけるカメムシの数だけで、農業全体の被害状況を判断することはできません。
【カメムシ大量発生2023】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2023年にカメムシが大量発生した地域はどこですか?
2023年のLINEヤフーの検索データでは、大阪府と兵庫県を中心とした関西で10月の検索特徴度が高くなりました。また、関東・中部では8月から検索が増え、四国・九州では9月、山陰では10~11月にピークが見られました。
Q2:2023年にカメムシが大量発生した原因は何ですか?
夏場の高温と、餌となるスギ・ヒノキの球果の豊作が主な要因として挙げられています。これらが繁殖環境に影響し、個体数の増加につながったと考えられています。
Q3:カメムシの大量発生は暖冬が原因ですか?
暖冬は、成虫で越冬する種類の生存状況に影響する可能性があります。ただし、2023年の発生を暖冬だけで説明することはできません。前年の繁殖状況、球果の量、気温などを合わせて考える必要があります。
Q4:2023年のカメムシ注意報は何県で発表されましたか?
農研機構の研究者による2023年の発生状況の解説では、果樹カメムシ類について関東以西の13都府県で注意報が発表されたと整理されています。
Q5:2026年もカメムシは大量発生していますか?
2026年10月14日時点で、農林水産省は果樹カメムシ類について31府県で計50件の注意報・警報が発表されたと公表しています。10月15日時点の全国発生動向では、東海、近畿、中国などの一部地域で発生量が多い状況でした。ただし、全国すべてで同じ規模の大量発生が起きているわけではありません。
Q6:カメムシはいつまで発生しますか?
種類や地域によって異なります。果樹カメムシ類は春から秋にかけて活動し、秋には越冬場所を探す個体が住宅周辺で目立つ場合があります。2023年のLINEヤフーの検索データでは、12月に入ると全国的に検索量が落ち着いていました。
2023年のカメムシ大量発生は、LINEヤフーの検索データからも、全国的に大きな関心を集めた出来事だったことが分かります。
検索量は前年の2倍以上となり、特に関西では大阪府と兵庫県、時期では9~11月にかけて顕著な動きが見られました。
その背景には、スギ・ヒノキの球果の豊作や夏場の高温など、繁殖に関係する複数の要因がありました。加えて、2023年秋の発生状況は翌年の越冬密度にも関係し、2024年の果樹カメムシ類の多発につながりました。
そして2026年も、農林水産省の発生予察情報では31府県で注意報・警報が発表されるなど、地域によって警戒が必要な状況が続いています。
大切なのは、単に「今年はカメムシが多い」という情報だけで判断しないことです。
- 地域別の注意報・警報
- スギ・ヒノキの球果の状況
- 越冬密度の調査結果
- 夏から秋にかけての誘殺数
- 果樹カメムシ類と斑点米カメムシ類の違い
これらを組み合わせることで、発生の背景や今後のリスクをより正確に理解できます。
2023年の大量発生が教えてくれるのは、カメムシの発生が単年の気温だけで決まるものではなく、山林の餌環境、繁殖、越冬、翌年の気象条件までつながっているということです。
2026年以降も、全国一律の予測ではなく、住んでいる地域や農作物の種類に応じた公的な発生情報を確認することが、カメムシ問題を正しく見極めるための最も確かな方法です。
主な情報源:LINEヤフービッグデータレポート(2023年12月25日)、農林水産省「カメムシ類の防除」「令和8年の果樹カメムシ類の発生動向」、農研機構研究者による害虫発生状況の解説、日本農業新聞。