床田のキャリアを語るうえで欠かせないのが、2017年に受けた左肘のトミー・ジョン手術だ。
プロ入り直後に一軍で登板したものの、左肘の負傷によって長期離脱を余儀なくされた。
2017年7月の手術から2019年の一軍復帰へ2017年4月19日に左肘を負傷。その後、同年7月に左肘の靱帯再建手術、いわゆるトミー・ジョン手術を受けた。
2018年は一軍登板がなく、リハビリに専念。2018年8月には二軍の実戦に復帰し、翌2019年に一軍のマウンドへ戻った。
2019年の成績は25試合登板、7勝6敗、防御率2.96。139回2/3を投げ、復帰したシーズンから先発投手として存在感を示した。
週刊ベースボールやBASEBALL KINGも、手術後の復帰過程を床田のキャリアにおける大きな転換点として取り上げている。
手術後に投球の質が向上した背景長期離脱は投手にとって大きな試練だ。
実戦から離れた期間は、投球フォームや身体の使い方を見直す機会にもなる。
床田の場合、復帰後は持ち味である左腕からの投球に加え、緩急や制球を生かした投球スタイルを確立していった。
2022年には8勝6敗、防御率2.84を記録。2023年には初の11勝を挙げるまでに成長した。
2017年に一度はキャリアの中断を経験した投手が、数年後には広島の主力先発投手になった。この経歴は、床田の選手としての強さを理解する要点である。
【パームボールが武器】床田寛樹の投球スタイルと球種を分析

床田の投球を特徴づける球種の一つが、パームボールだ。
パームボールは、一般的に球速を抑えながら打者のタイミングを外す変化球として知られている。
床田の場合、単に遅いボールを投げるだけではない。ストレートと似た腕の振りから投じることで、打者に球種を判断させにくくする特徴がある。
パームボールを使い始めたきっかけテレビ朝日の2022年7月18日の特集記事によると、床田がパームを本格的に試すきっかけになったのは、前年の2021年に経験した二軍での調整期間だった。
当時は思うような結果が出ず、投球の幅を広げる必要があった。
そこで注目したのが、学生時代に遊び程度で投げていたパームだった。
実際に投げてみると感触がよく、実戦でも使える球種として磨いていったという。
同記事では、当時のストレートとパームの球速差は約30キロと紹介されている。
加えて、ストレートとパームの投球フォームが似ているため、打者からすると球種の判別が難しい点も特徴として挙げられていた。
2026年もパームボールは使われているのか2026年の球種別投球データを見ると、床田は複数の球種を使い分けている。
| 球種 | 投球数 |
|---|---|
| ストレート | 643 |
| カットボール | 401 |
| スライダー | 354 |
| ツーシーム | 343 |
| チェンジアップ | 172 |
| カーブ | 74 |
| パーム | 54 |
| ナックルカーブ | 40 |
ここで注目したいのは、パームが54球という点だ。
床田の投球はパーム一辺倒ではない。ストレート、カットボール、スライダー、ツーシームなどを組み合わせ、打者の反応を見ながら投球を組み立てている。
パームは投球全体の中では使用頻度が高い球種ではないが、打者に球種を絞らせないための選択肢として存在感を持っている。
床田の投球スタイルを支える3つの特徴1. 左腕から繰り出すストレート
左投手という利点を生かし、打者の内外角を使い分ける。単純な球速だけで勝負するのではなく、コースと球種の組み合わせで打ち取るタイプだ。
2. 球速差を利用した緩急
パームやチェンジアップなどを使い、ストレートとの速度差で打者のタイミングを外す。打者が速球を意識するほど、遅い球種が生きてくる。
3. 複数の変化球による配球
カットボール、スライダー、ツーシームなどを組み合わせることで、打者に同じタイミングで対応させない。
床田の魅力は、特定の変化球だけに頼らない総合的な投球術にある。
【年俸1億8500万円の評価】2026年の実績と今後の展望
床田の2026年の推定年俸は1億8500万円だ。
2025年12月4日の契約更改で、前年から3500万円増の1億8500万円でサインしたことをスポーツニッポンや日刊スポーツが報じている。
| 年度 | 推定年俸 |
|---|---|
| 2017年 | 700万円 |
| 2018年 | 700万円 |
| 2019年 | 650万円 |
| 2020年 | 2700万円 |
| 2021年 | 2700万円 |
| 2022年 | 3300万円 |
| 2023年 | 5000万円 |
| 2024年 | 1億円 |
| 2025年 | 1億5000万円 |
| 2026年 | 1億8500万円 |
※金額はいずれも推定。契約更改時に報じられた年俸を基準としている。
なぜ2026年は3500万円増額されたのかここで押さえておきたいのは、1億8500万円という年俸が2026年の成績を受けて決まったものではないという点だ。
この金額は2025年シーズン終了後の契約更改で決定したもの。つまり、2025年の働きに対する球団の評価が反映されている。
2025年の床田は9勝12敗、防御率3.15だった。
勝ち越しこそ逃したものの、リーグトップの6完投、3完封を達成。171回1/3という投球回数も、先発投手としての貢献を示している。
契約更改時には、2026年に向けて貯金5と180イニングという目標も掲げていた。
2026年の実績は8勝6敗、143回1/3。勝ち越しは達成したが、貯金5と180イニングには届かなかった。
この点は、2027年以降の契約評価にも関係する注目材料になる。
2026年の床田を評価するための3つの判断基準年俸だけで選手の実力を判断するのは適切ではない。床田の場合、次の3点を見ると評価しやすい。
- 防御率: 2.76まで改善した点は高評価。2025年の3.15から持ち直した。
- 投球回数: 143回1/3にとどまった。先発の柱として180イニングを目指すなら改善が必要。
- WHIP: 1.23となり、前年の1.17より悪化。走者を出す頻度を抑えることが次の課題になる。
この3項目を総合すると、2026年は先発投手としての安定感を取り戻した一方、絶対的なエースとしてさらに評価を高めるには、イニング数と走者管理の改善が必要なシーズンだった。
2027年以降の展望は?床田は1995年3月1日生まれで、2026年シーズンは31歳だった。
プロ入りから10年目を迎え、経験と投球技術を兼ね備えた投手になっている。
今後の注目要点は次の3つだ。
第一に、年間160〜180イニングを再び目指せるか。
2025年には171回1/3を投げた実績がある。2026年の143回1/3から投球回数を増やせれば、広島の先発陣にとって大きなプラスになる。
第二に、WHIPを改善できるか。
防御率2点台を維持しながら、WHIPを1.20未満に近づけられるかがポイントになる。安打や四球による走者を減らせれば、より安定した投球につながる。
第三に、背番号19にふさわしい先発の柱として定着できるか。
野村祐輔から受け継いだ19番は、広島の投手陣にとっても意味のある番号だ。床田が今後も安定した成績を残し、チームを支える存在になれるか注目したい。
【床田寛樹に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:床田寛樹の2026年の成績は?
A1:2026年シーズンは23試合に先発登板し、8勝6敗、防御率2.76、143回1/3、84奪三振を記録した。WHIPは1.23。
Q2:床田寛樹の2026年の年俸はいくら?
A2:推定1億8500万円。2025年12月4日の契約更改で、前年から3500万円増額された。
Q3:床田寛樹の出身高校と大学は?
A3:大阪府の箕面学園高校を卒業後、岐阜県の中部学院大学へ進学した。2016年のドラフト3位で広島東洋カープに入団している。
Q4:床田寛樹はトミー・ジョン手術を受けた?
A4:受けている。2017年7月に左肘の靱帯再建手術を受け、長期リハビリを経て2018年8月に二軍戦で実戦復帰。2019年から一軍で本格的に投げ始めた。
Q5:床田寛樹の背番号19はいつから?
A5:2025年シーズンから。2024年11月に背番号28から19への変更が発表された。19番は引退した野村祐輔から受け継いだ番号である。
Q6:床田寛樹の得意な球種は?
A6:ストレート、カットボール、スライダー、ツーシームなどを使い分ける。特にパームボールは、ストレートと似た腕の振りから投げる緩急のある球種として知られている。
Q7:床田寛樹の2023年の成績は?
A7:24試合に登板し、11勝7敗、防御率2.19、156投球回を記録した。自身初の2桁勝利を達成した代表的なシーズンだ。
床田寛樹は、2016年ドラフト3位で広島に入団し、トミー・ジョン手術による長期離脱を乗り越えて成長してきた左腕だ。
2023年には11勝7敗、防御率2.19という好成績を残し、2024年も11勝を達成。2025年は9勝12敗ながら6完投、3完封を記録した。
そして2026年は、8勝6敗、防御率2.76、WHIP1.23、年俸1億8500万円という結果でシーズンを終えた。
2026年の評価で特に重要なのは、防御率が改善した一方、投球回数が前年より28イニング減ったことだ。
今後は、持ち味である緩急を生かした投球を維持しながら、長いイニングを投げる能力をどこまで高められるかが焦点になる。
背番号19を背負う床田にとって、2027年は再び2桁勝利と安定した投球回数を目指すシーズンとなる。広島の先発陣を支える左腕として、次のシーズンにどのような成績を残すのか注目したい。