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【終了の真相】ゼンリーが終了した直接的な理由はSnap社の経営方針だった

三浦 幹太 三浦 幹太 • 更新: • 公開: • 読了約 21 分
目次

ゼンリーのサービス終了について、最も重要な手掛かりとなるのが、運営元Snap社とZenly公式サポートの発表です。

Zenly公式サポートは、終了理由について次のように説明していました。

「現在の経済環境により、Zenlyの運営を維持することが難しくなりました。」

Zenly公式サポートの説明を日本語訳

つまり、公式に示された直接的な理由は、厳しい経済環境によってサービスの運営継続が困難になったことです。

一方、Snap社の2022年8月31日の公式発表では、ゼンリーを含む複数の独立型アプリを終了させる方針が明らかになりました。

この発表を行ったのは、Snap社CEOのエヴァン・シュピーゲル氏です。同氏は、2023年に向けた財務計画の見直しを進めるなかで、売上成長の鈍化とコスト構造の改善が必要になったと説明しています。

Snap社の発表から読み取れる終了の構図は、次の3点です。

- ゼンリー単体の運営を続けることが経済環境の変化によって難しくなった。
- Snap社全体で投資対象を見直し、重点事業以外のサービスを縮小する必要が生じた。
- 独立アプリとしてのゼンリーへの投資を終了し、Snapchat内の機能などに経営資源を集中させることになった。

ここで押さえておきたいのは、ゼンリーの利用者が急減したから終了した、と公式に発表されたわけではないという点です。

終了の直接的な説明と、Snap社全体の経営上の判断は分けて理解する必要があります。

【経営危機の背景】Snap社の収益成長率鈍化と約20%の人員削減

ゼンリーなぜ終了

ゼンリーの終了を理解するには、2022年当時のSnap社が置かれていた経営環境を確認する必要があります。

収益成長率は想定を大きく下回る8%に

2022年8月31日の公式発表で、シュピーゲルCEOは、同社の四半期累計の前年同期比収益成長率が8%にとどまっていることを明らかにしました。

これは年初に想定していた成長水準を大きく下回る数字でした。

Snap社は主に広告事業によって収益を得ています。そのため、広告主の支出が減少したり、広告市場の先行きが不透明になったりすると、業績に直接的な影響が及びます。

2022年はインフレや金利上昇などの経済環境の変化に加え、広告主の慎重な支出姿勢も経営上の課題になっていました。

Snap社は、今後も低成長が続く可能性を想定し、収益が伸び悩む状況でもフリーキャッシュフローを確保できる経営計画へ転換しました。

約20%の従業員削減を発表



約20%


発表された全社的な人員削減規模


2022年8月31日


Snap社の公式発表日

Snap社は2022年8月31日、全世界の従業員の約20%を削減する計画を発表しました。

これは単なる人員整理ではありません。会社の投資方針そのものを見直す大規模な事業再編でした。

シュピーゲルCEOが示した重点分野は、次の3つです。

1. コミュニティの成長: Snapchatの利用者を増やし、サービスへの関与を深める。
2. 収益の成長: 広告事業を強化し、収益源を多様化する。
3. ARへの投資: 拡張現実技術を将来の成長分野として育てる。

これらの重点分野に直接貢献しないプロジェクトは、終了または投資を大幅に縮小する対象となりました。

その対象として明記されたのが、ZenlyとVoiseyです。

2022年の決算から見える経営上の問題

Snap社が米証券取引委員会(SEC)に提出した2022年の年次報告書を見ると、当時の経営状況がさらに具体的になります。

財務項目 2022年の実績 2021年との比較
年間売上高 46億ドル 12%増
総費用・経費 60億ドル 48億ドルから増加
純損失 14億ドル 前年4億8,800万ドル
調整後EBITDA 約3億7,760万ドル 前年約6億1,670万ドル
フリーキャッシュフロー 約5,530万ドル 前年約2億2,300万ドル

注目したいのは、売上高自体は増えていたにもかかわらず、純損失が拡大していたことです。

また、ユーザー1人当たりの平均収益(ARPU)は、2021年第4四半期の4.06ドルから2022年第4四半期には3.47ドルに低下しました。

この数字は、ユーザー数の増加だけでは広告収益の成長を十分に支えられない状況を示しています。

つまり、Snap社にとって必要だったのは、単に利用者の多いサービスを維持することではなく、会社全体の収益性を改善できる事業に資金と人材を集中させることでした。

ゼンリーの終了も、こうした経営上の判断と密接に結び付いています。

【2017年から2023年】ゼンリーの買収・終了までの経緯と関係企業

ゼンリーは、Snap社が突然開発した位置情報アプリではありません。

もともとは独立したサービスとして誕生し、2017年にSnap社の傘下に入りました。その後、Snap Mapとの関係を深めながら運営され、2022年の事業再編によって終了が決定しました。

ここでは、関係するサービスと出来事を時系列で整理します。

時期 関係する企業・サービス 出来事と関係
2017年5月 Snap社・Zenly Snap社がZenlyを買収。取得対価の総額は約2億1,330万ドル
2017年6月21日 Snap Map Snapchat内の位置情報共有・地図機能として正式発表
2022年8月31日 Snap社・Zenly・Voisey 事業再編を発表。ZenlyとVoiseyの終了手続きを開始
2022年12月3日 Zenly公式 日本向け公式アカウントなどで2023年2月3日の終了を告知
2023年2月3日 Zenly サービス提供を正式終了

2017年5月:Snap社がZenlyを買収

Snap社のSEC提出資料によると、同社は2017年5月にZenly SASを買収しました。

買収の目的として説明されていたのは、自社プラットフォームの機能強化です。

取得対価の総額は約2億1,330万ドルで、単なる小規模なサービス取得ではありませんでした。

友人の現在地を地図上で確認できるZenlyの技術は、Snapchatのソーシャル機能を強化する資産として期待されていたのです。

2017年6月:Snap Mapも登場していた

実は、Snap社はZenlyを買収した翌月の2017年6月21日に、Snap Mapを発表しています。

Snap Mapは、Snapchatの中で友人の位置を確認したり、世界各地の投稿を地図上で見たりできる機能です。

つまり、Zenlyの買収とSnap Mapの登場は、ほぼ同じ時期に起きていました。

この点は非常に重要です。

Snap社は2022年にゼンリーを終了させた後、初めて位置情報共有に参入したわけではありません。すでに自社の主力アプリ内に位置情報共有の仕組みを持っていたのです。

2022年8月:ZenlyとVoiseyの終了手続きが始まる

Snap社の公式発表では、Zenlyだけでなく音楽関連の独立アプリVoiseyも終了対象になりました。

同社は、独立アプリへの投資を見直し、Snapchat内のSnap MapやSoundsなどに注力する方針を示しています。

これはゼンリーだけに問題があったというより、Snap社が独立アプリを複数運営する体制から、主力アプリ中心の経営へと方向転換したことを意味します。

2022年12月3日:正式な終了日が発表される

日本のユーザーにとって大きな節目となったのが、2022年12月3日です。

ゼンリーの日本向け公式アカウントが、サービスを2023年2月3日に終了すると告知しました。

突然の発表に驚いたユーザーも多く、長年使ってきた友人同士の位置情報共有手段を失うことになりました。

その後、約2か月の終了準備期間を経て、サービスは予定どおり終了しています。

【2026年最新】ゼンリーは現在使える?復活や再開の可能性は?

サービス終了済み

2026年11月現在、旧ゼンリーは利用できません。

2023年2月3日にサービスが終了しており、以前のように友達の現在地を確認したり、位置情報を共有したりすることはできません。

アプリをスマホに残していても使えない

サービス終了前にアプリをインストールしていた場合でも、終了後に以前と同じ機能を利用できるわけではありません。

アプリ本体がスマートフォンに残っていることと、運営側のサーバーが稼働していることは別の問題です。

旧ゼンリーのサービスは終了しているため、アプリを起動できたとしても、従来の位置情報共有サービスとして使うことはできません。

また、非公式に配布されている古いインストールファイルを入手しても、サービスが復活するわけではありません。セキュリティ上のリスクもあるため、利用はおすすめできません。

ゼンリーの友達や位置情報データは引き継げる?

この点については、Zenly公式サポートが明確に説明しています。

公式案内によると、終了までの60日間の移行期間が終わった後、ユーザーデータは削除される予定でした。

加えて、ゼンリーのデータはSnap社に引き継げないことも明記されています。

つまり、Snap Mapを利用し始めても、ゼンリー時代の友達リストや位置情報履歴がそのまま移行するわけではありません。

新しいアプリで友達とつながる場合は、改めて友達追加や位置情報共有の設定が必要です。

2026年にゼンリーの復活情報はある?

旧ゼンリーについては、2023年2月3日のサービス終了が公式サポートに記録されています。

2026年現在、旧サービスが正式に復活したことを裏付ける公式発表は確認できません。

そのため、「ゼンリーが復活した」「新しいゼンリーが公式リリースされた」といった情報を見かけた場合は、運営元や公式発表の有無を確認する必要があります。

名称やデザインが似た非公式アプリと、旧Zenlyの正式な後継サービスは区別してください。

【代替アプリを比較】ゼンリーの代わりはSnap Mapがおすすめ?

ゼンリー終了後、位置情報を共有する方法として注目されているのがSnap Mapです。

ただし、ゼンリーと完全に同じサービスではありません。

Snap社はもともとSnap Mapを提供しており、2022年の事業再編でも独立型のZenlyからSnapchat内の位置情報機能へ重点を移す方向性を示しました。

1. Snap Map(スナップマップ)


Snap社の公式機能
Snapchat内で利用
Snapchatの友達と位置情報を共有できる地図機能。友達のBitmojiや地図上の投稿などを確認できます。

Snap Mapは、ゼンリーの代替を探している人が最初に検討したいサービスです。

Snapchatの公式サポートによると、位置情報共有には主に2つの設定があります。

- アプリ使用中のみ: Snapchatを利用している間、位置情報を更新する。
- 常時共有: 許可した相手に対して、アプリを閉じている間もバックグラウンドで位置情報を共有する。

また、位置情報共有は初期状態ではオフになっています。

共有相手を特定の友達だけに限定することもでき、ゴーストモードを有効にすれば位置情報を非公開にできます。

2. Life360


家族・グループ向け
メンバー同士のリアルタイム位置情報共有、到着通知、位置情報履歴などを備えています。

Life360は、友人同士の気軽な位置共有よりも、家族の安全確認や日常的な見守りに重点を置いたアプリです。

公式サービスでは、メンバーが参加するCircleというグループを作成できます。

一時的なCircleを作成し、旅行やイベントなど特定の期間だけ位置情報を共有する機能もあります。

ゼンリーよりも見守りや安全確認を重視したい人に向いています。

3. Appleの「探す」


iPhoneユーザー向け
友達や家族と現在地を共有でき、共有期間も設定できます。

Appleの「探す」は、iPhoneを中心に利用している人に適した選択肢です。

友達や家族に位置情報を共有できるほか、共有する期間を指定したり、特定の相手との共有を停止したりできます。

家族との待ち合わせや、帰宅時の安全確認などにも活用できます。

代替アプリの選び方
サービス 主な用途 特徴
Snap Map 友達との位置共有 Snapchatと連携
Life360 家族の見守り 到着通知・位置履歴
Appleの「探す」 iPhone同士の共有 Apple製品との連携

ゼンリーのように友達の位置を地図上で確認したいならSnap Map、家族の見守りを重視するならLife360、iPhoneユーザー同士で手軽に共有したいならAppleの「探す」が候補になります。

ただし、いずれも利用者本人の同意と位置情報の共有設定が必要です。

Snap Mapを使い始めるときの設定方法

Snap Mapを使う場合は、次の手順で設定を確認しましょう。

1. Snapchatアプリを開く。
2. 地図画面を表示する。
3. 地図画面上部の歯車マークをタップする。
4. 位置情報の共有設定を開く。
5. 「特定の友達のみ」など、共有相手を選択する。
6. 必要に応じてゴーストモードや端末側の位置情報権限を設定する。

特に注意したいのは、位置情報の共有範囲です。

友達全員に共有する設定と、特定の相手だけに共有する設定では、プライバシーへの影響が異なります。

最初は共有相手を限定し、必要な範囲だけで利用することをおすすめします。

【誤解を検証】ゼンリー終了に関する3つの疑問と本当のところ

ゼンリーのサービス終了については、終了理由やSnap社との関係について誤解されやすいポイントがあります。

誤解1:ゼンリーの利用者が減ったから終了した?

利用者数の減少だけが終了理由だったという公式発表はありません。

Snap社が公表したのは、収益成長率の鈍化や経済環境の悪化、事業の優先順位の見直しです。

ゼンリー単体の利用者数や収益の推移を示す詳細なデータは、今回の公式発表からは確認できません。

そのため、利用者数の減少を終了の直接的な原因と断定するのは適切ではありません。

誤解2:約20%の人員削減がゼンリー終了の唯一の理由?

これも正確ではありません。

約20%の人員削減とゼンリーの終了は、どちらも2022年8月の事業再編計画に含まれていました。

ただし、人員削減そのものがゼンリー終了の唯一の原因だったわけではありません。

Snap社は収益成長率を回復させるため、投資先を重点分野に絞り込む方針を示しています。

ゼンリーの終了は、その経営判断の一部として理解するのが正確です。

誤解3:Snap Mapはゼンリーと完全に同じアプリ?

Snap Mapとゼンリーには、位置情報を地図上で共有するという共通点があります。

しかし、両者は別のサービスです。

ゼンリーは位置情報共有を中心に設計された独立アプリでした。一方、Snap Mapは写真・動画・メッセージなどを提供するSnapchatの一機能です。

そのため、利用するにはSnapchatのアカウントや友達関係など、異なる仕組みへの対応が必要になります。

ゼンリーで慣れ親しんだ操作感やコミュニティが、そのまま再現されるわけではありません。

【プロの結論】ゼンリー終了から読み解く位置情報アプリの選び方

ゼンリーの終了は、人気のあるアプリであっても、運営企業の経営方針によってサービスが突然終了する可能性があることを示した事例です。

特に今回のケースでは、利用者に支持されるサービスであることと、企業が長期的に運営し続けられることは別問題だと分かります。

Snap社はZenlyを2017年に買収し、位置情報共有の技術を自社のサービス戦略に取り込んでいました。しかし、2022年の事業再編では、独立アプリとしての運営を終了し、Snapchatを中心とした事業構造へと投資を集中させました。

この判断から、利用者が今後の位置情報アプリを選ぶ際に確認したい要点は3つあります。

- 運営基盤: 長期的にサービスを運営できる企業か。
- 機能の継続性: 位置情報共有だけでなく、必要な機能が安定して提供されているか。
- プライバシー管理: 共有相手や共有期間を自分でコントロールできるか。

特に位置情報は、自宅や職場、通学先などの生活パターンを推測できる情報です。便利さだけでなく、共有範囲や停止方法も確認しておく必要があります。

【ゼンリーはなぜ終了した?】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:ゼンリーはなぜサービスを終了したのですか?

A1:運営元のSnap社は、厳しい経済環境と収益成長率の鈍化を背景に、全社的な事業再編を実施しました。その一環として、独立アプリだったゼンリーへの投資を終了する方針を決定しました。

Q2:ゼンリーのサービス終了日はいつですか?

A2:2023年2月3日です。2022年12月3日に公式アカウントなどで終了日が発表され、予定どおりサービスが終了しました。

Q3:2026年現在、ゼンリーは使えますか?

A3:使えません。旧ゼンリーのサービスは終了しており、以前の位置情報共有機能も利用できません。

Q4:ゼンリーのデータをSnap Mapに引き継げますか?

A4:引き継げません。Zenly公式サポートは、ユーザーデータをSnapにインポートできないと案内していました。

Q5:ゼンリーの代わりに使えるアプリは何ですか?

A5:Snap社のSnap Mapが有力な候補です。そのほか、家族の見守りにはLife360、iPhoneユーザー同士の位置情報共有にはAppleの「探す」があります。

Q6:ゼンリーとVoiseyは同時に終了したのですか?

A6:どちらも2022年8月のSnap社の事業再編で終了対象になりました。ただし、サービスごとの終了日は異なります。ゼンリーの正式な終了日は2023年2月3日です。

ゼンリーが終了した最大の背景は、Snap社の経営方針の転換です。

2022年、同社は収益成長率の鈍化を受けて大規模な事業再編を決定。全従業員の約20%を削減する計画を発表するとともに、ZenlyとVoiseyの独立アプリとしての運営を終了する方針を示しました。

その結果、ゼンリーは2023年2月3日にサービスを終了しています。

2026年現在、旧ゼンリーを再び利用することはできませんが、位置情報共有の代替手段は存在します。

- 友達との位置情報共有ならSnap Map
- 家族の安全確認ならLife360
- iPhoneユーザー同士ならAppleの「探す」

特にSnap Mapは、Snap社自身が重点投資先として位置付けたサービスであり、ゼンリー終了後の位置情報共有を考えるうえで重要な選択肢です。

ゼンリー終了の本質は、サービスの人気だけでは企業の継続判断を左右できないということです。 今後位置情報アプリを選ぶ際には、機能の便利さだけでなく、運営企業の安定性やプライバシー管理にも目を向けることが大切です。

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三浦 幹太

暮らし・旅行・グルメの話題を担当。自治体や施設の公式サイト、観光協会の発表を一次情報とし、季節や営業時間の情報は更新日を明記します。

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