鈴木誠也の身体の変化を理解するうえで、トレーナーとの関係も見逃せない。特に重要なのが、梶山聡士氏、竹口正範氏、中田史弥氏という3人の専門家だ。
それぞれが同じ役割を担っていたわけではない。筋力・パワーを高める段階、身体の使い方を改善する段階、MLBでのコンディショニングを支える段階というように、役割が異なっている。
3人のトレーナーと鈴木誠也の関係| 人物 | 関係・役割 | 主な取り組み |
|---|---|---|
| 梶山聡士 | 広島時代から身体を見てきたトレーナー | ストレングス、筋力・パワーの強化。大型化した身体づくりを支援 |
| 竹口正範 | 身体の使い方を指導するトレーナー | 股関節、体幹、重心移動、可動域などの動作改善 |
| 中田史弥 | シカゴ・カブスのアスレティックトレーナー | コンディショニング、体幹・股関節の機能性、動きの質の向上 |
この関係について詳しく報じたのが、2026年1月28日公開のNumber Webの記事だ。カブスで鈴木を支える中田史弥氏への取材を通じて、肉体改造の経緯が紹介されている。
記事によると、鈴木は2022年3月のカブス入団当初、広島時代から身体を見ていた梶山聡士トレーナーのサポートを受けていた。中田氏は、現在の大きな身体を手に入れられた背景には、梶山氏のストレングスプログラムがあったと説明している。
その後、2023年オフに中田氏がカブスとアスレティックトレーナーとして契約。筋肉を大きくして出力を高める段階から、その身体を効率よく使う段階へとサポートの重点が移っていった。
竹口氏はまた別の重要な存在だ。鈴木は2021年の夏前ごろに竹口氏と出会い、身体の使い方や筋肉の動きについて学び始めたと2024年の本人連載で振り返っている。
つまり、3人の名前を一括りにして「同じ筋トレを指導したトレーナー」と捉えるのは正確ではない。筋力強化、動作改善、日常的なコンディショニングという異なる専門性が、鈴木の長期的な身体づくりを支えてきた。
【広島時代から現在まで】鈴木誠也の筋肉と肉体の変化を比較

鈴木誠也の肉体改造は、2023年に突然始まったものではない。広島時代から継続してきた身体づくりが、MLB移籍を機に大きく発展したものだ。
プロ入り当初はウエイトと食事で身体を大きくした広島入団当初の鈴木は、現在のような大柄な体格ではなかった。本人も2024年2月のSYNCHRONOUSの連載で、プロ入り当初は線が細く、ウエイトトレーニングや食事量を増やすことで身体を大きくしていったと振り返っている。
2014年のデイリースポーツの報道では、オフのウエイトトレーニングによって体重が78kgから87kgへ増加したことも紹介された。若手時代から筋力強化に積極的だったことが分かる。
2018年には30本塁打を記録。本人も、入団当初に比べてパワーがついたことを実感していた。
2019〜2021年は筋肉の量から動きの質へ一方、筋力が高まるにつれて、新たな問題も生まれた。
鈴木の本人連載によると、2019年後半ごろから右方向への打球がイメージと合わなくなり、2020年の東京五輪を経験した頃には、関節の動きやスイングの感覚に違和感を抱くようになっていた。
ウエイトを重くすれば身体は大きくなる。しかし、思い描いた動きができなければ、その筋力を野球のパフォーマンスに十分生かせない。
この課題が、竹口正範氏との出会いや身体の使い方を学ぶきっかけにつながった。
2023年以降は筋量と可動域の両立へ2023年の106kgへの増量は、メジャーの投手に対抗するためのパワー強化という意味合いが強かった。しかし、その後は筋肉を大きくすることだけを追い求めず、身体を自在に動かす能力との両立へと重点が移っている。
2025年には筋量を増やしながら脂肪を減らす方針を本人が明かし、2026年には自然な身体の使い方をテーマに掲げた。
こうした変化を時系列で整理すると、鈴木の肉体改造が段階的に進化してきたことが見えてくる。
| 時期 | 身体づくりの変化 | 主な目的・背景 |
|---|---|---|
| 2013〜2014年 | 78kgから87kgへ増量 | 広島時代の基礎的な筋力強化 |
| 2018年 | パワーアップを実感 | 30本塁打を記録する打撃力の形成 |
| 2019〜2021年 | 身体の使い方を見直す | 関節の動きやスイングの可動域を改善 |
| 2023年 | 体重106kgを記録 | メジャーで戦うための筋力・出力強化 |
| 2024年 | 動作の質と再現性を重視 | 過度な練習を避け、コンディションを維持 |
| 2025年 | 筋量増加と脂肪減少を意識 | 体重を大きく増やさず身体組成を改善 |
| 2026年 | 自然で美しい身体の動きを追求 | 個人の課題に集中した自主トレーニング |
この変遷で注目したいのは、身体が大きくなった時期と、動きの改善を重視するようになった時期が明確に分かれていることだ。
2025年シーズンには32本塁打を記録し、2026年1月の取材では本人がメジャーでのキャリアハイを振り返っている。もちろん本塁打数だけで筋肉の効果を証明することはできないが、身体づくりと打撃技術を長期的に磨いてきたことは確認できる。
【2026年最新】鈴木誠也の体づくりは「自然な動き」がテーマ
2026年の鈴木誠也の身体づくりを理解するうえで重要なのが、1月20日に日刊スポーツが報じた自主トレ中のインタビューだ。
沖縄で自主トレーニングを行っていた鈴木は、今季の身体づくりについて次のように語った。
「美しく、なるべく自然な動きができるように」
加えて、バッティングなどの技術練習だけでなく、本来の動きを引き出す身体の使い方を意識し、自分の身体を理解しながらトレーニングしていると説明した。
2026年は初めての「ひとり自主トレ」2026年の自主トレで大きな変化となったのが、初めて単独で取り組むことを選択した点だ。
2026年1月25日のSYNCHRONOUSの特集では、2023〜2026年の自主トレの変遷が紹介された。鈴木は毎年、自分の打撃に明確な課題を設定し、その解決に向けて練習内容を変えている。
今回、一人での自主トレを選んだ理由については、他の選手と強化ポイントが異なる場合、自分のペースで取り組みにくくなるためと説明している。
これは、単独練習のほうが必ず優れているという意味ではない。個々の選手に必要な練習が異なる以上、集団で取り組むことと、一人で課題に集中することを使い分ける考え方だ。
また、2026年2月9日の本人連載では、ひとり自主トレの背景や筋トレを行う理由、練習の形式に対する考え方も取り上げられた。
2026年の身体づくりで注目すべき3つのポイント1. 筋力を増やすことだけを目的にしない
2023年に106kgまで増量した経験を経て、現在は筋肉の大きさだけでなく、実際の打撃動作にどう生かせるかが重要になっている。
2. 自分の身体に合った動きを見つける
他の選手のフォームや練習をそのまま模倣するのではなく、自分の身体の特徴を理解し、自然に力を出せる動作を探すことが2026年のテーマだ。
3. 長いシーズンを戦える身体を維持する
鈴木は2026年1月のインタビューで、2025年に初めて故障なくシーズンを過ごせたことにも触れている。今季もケガなく一年間プレーすることを目標にしており、筋力強化とコンディション維持の両立が課題となる。
2026年の鈴木は、単純に身体を大きくする段階から、身につけた筋力を効率よく使い、シーズンを通して高いパフォーマンスを発揮する段階に進んでいる。
【鈴木誠也の筋肉】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:鈴木誠也の体重は106kgなのですか?
A1:106kgは2023年2月のキャンプで報じられた体重です。2026年現在の実測体重とは確認されておらず、現在も106kgであると断定することはできません。
Q2:鈴木誠也の筋トレメニューには何がありますか?
A2:公開された2023年のトレーニング映像では、ウォーミングアップ、キャッチボール、フィジカルトレーニング、バッティング、ウエイトトレーニング、股関節周辺と可動域のトレーニングなどが確認できます。個別種目の重量や回数など、完全なメニューは公開情報からは特定できません。
Q3:鈴木誠也の筋肉を作ったトレーナーは誰ですか?
A3:主な関係者として梶山聡士氏、竹口正範氏、中田史弥氏が挙げられます。梶山氏はストレングス、竹口氏は身体の使い方、中田氏はカブスでのコンディショニングや動作の質の向上を支えてきました。
Q4:鈴木誠也の体脂肪率や筋肉量は公表されていますか?
A4:具体的な体脂肪率や筋肉量の数値は確認できません。2025年には本人が筋量を増やして脂肪を減らす食事管理をしていたと語っていますが、具体的な測定値は公表されていません。
Q5:2026年も鈴木誠也は増量を続けているのですか?
A5:2026年1月の本人発言では、増量そのものよりも、自然な身体の使い方や自分に合った身体づくりを重視しています。現在の増量目標や具体的な体重設定は公表されていません。
鈴木誠也の筋肉は、広島時代から続くウエイトトレーニングと食事管理、MLB移籍後の大幅な増量、そして身体の使い方を見直す取り組みを通じて作られてきた。
特に2023年の体重106kgへの増量は、メジャーの投手に対抗する打撃パワーを獲得するための大きな転換点だった。
しかし、その後の変化を見ると、筋肉を大きくすることだけが最終目標ではなかったことが分かる。2025年には筋量と脂肪のバランスを意識した食事管理へ移行し、2026年には自然な動きと身体の理解を重視するようになった。
【プロの結論】鈴木誠也の肉体改造から学べるのは、アスリートの身体づくりを体重や筋肉の見た目だけで評価してはいけないということだ。
本当に重要なのは、獲得した筋力を競技動作に結びつけられるか、可動域を保てるか、長いシーズンを故障なく戦えるかという複数の視点である。
一般のトレーニング愛好家にとっても、106kgという数字だけを目標にするのは適切ではない。自分の競技や体格に合った筋力、柔軟性、栄養管理を組み合わせることが、鈴木の歩みから読み取れる要点だ。
2026年以降も、鈴木誠也がどのように身体の使い方を進化させ、シカゴ・カブスの主軸として打撃パワーを発揮していくのか。その肉体とパフォーマンスの変化は、引き続き注目に値する。