オートレース選手は、最高時速150kmに達する専用競走車を操り、賞金を懸けて競い合う公営競技のプロレーサーだ。正式名称は「小型自動車競走選手」。経済産業省が所管する国家資格に位置付けられ、公益財団法人JKAの選手登録を受けて初めて公式レースに出場できる。
2025年12月31日時点の登録選手数は415名。女子選手も活躍しており、2026年6月時点では31名に増えている。選手になるには、茨城県下妻市の筑波サーキット敷地内にある全寮制の養成所で約9か月間の訓練を受け、資格検定に合格する必要がある。かつて話題になった養成費用120万円も、現在は制度が変わっている。2026年の最新募集状況とともに、仕事内容、収入、女子選手の歴史、結婚を発表した選手同士の関係まで詳しく整理する。
【基本知識】オートレース選手の正式名称は?国家資格と経済産業省の関係

一般にオートレーサーと呼ばれる職業の正式名称は「小型自動車競走選手」だ。
オートレースは、地方公共団体が開催する公営競技の一つであり、競走車を操縦して順位を競うプロスポーツである。競馬や競輪、ボートレースと同じく、法律に基づいて運営されている。
資格制度を所管するのは経済産業省。経済産業省の公式資格・試験案内にも「小型自動車競走選手」が掲載されている。
根拠となる法律は1950年制定の小型自動車競走法だ。同法第11条により、レースに出場する選手はJKAに登録された者でなければならない。
ここで注意したいのは、一般的な自動二輪免許を取得すればオートレーサーになれるわけではないという点だ。運転免許は養成所の受験資格の一つにすぎず、プロ選手として活動するには、養成所の教育課程と選手資格検定を突破しなければならない。
経済産業省が資格制度を所管し、JKAが試験と選手登録に関わるという役割分担になっている。つまり、民間のバイクスクールを卒業しただけでは選手として登録されない。
経済産業省の資格案内では、入所試験に合格した後、養成所で所定の教育を受け、資格検定に合格することが選手登録への条件として示されている。
オートレース選手はどのような競技者なのかオートレースでは、最大8台の専用競走車が楕円形のコースを走り、順位を競う。最高速度は約150kmに達する。
一般的なロードレースとは異なり、専用の競走車と独自の競技規則を使用することが特徴だ。選手は単に速く走るだけではなく、競走車の状態を把握し、レースごとに変化する条件に対応する能力も求められる。
また、選手は成績に応じてS級・A級・B級の3つに分類される。新人は原則としてB級からスタートし、その後の成績によってランクが決まる。級別は6か月ごとに見直されるため、デビュー後も競争が続く仕組みだ。
このランクは単なる名誉ではない。上位選手ほど賞金の高いグレードレースに出場する機会が増えるため、競技成績が将来の収入にも直結する。オートレーサーは資格を取得して終わりではなく、登録後も実績を積み重ね続ける職業なのである。
【ガイド】オートレーサーになるには?入所試験の条件と選考内容
オートレース選手を目指す場合、最初の関門となるのがJKAのオートレース選手養成所への入所試験だ。
一般的な就職試験とは異なり、年齢や学力だけではなく、体格、視力、運動能力、適性、人物面などが総合的に評価される。
主な応募資格と身体条件2026年度の第41期募集要項と養成所の公式FAQに示されている一般受験の主な条件は次のとおりだ。
- 年齢:募集開始時点で満16歳以上。上限年齢は設けられていない。
- 運転免許:自動車免許または原動機付自転車免許などを保有していること。
- 体重:原則60kg以下。
- 視力:両眼とも裸眼視力0.6以上、または矯正視力1.0以上。
- 色覚:正常であること。
- 学力:中学校卒業程度の学力を有すること。
視力については、眼鏡やコンタクトレンズによる矯正も認められている。ただし、身体条件は募集期の要項に従う必要がある。
また、モータースポーツやその他のスポーツで優秀な成績を収めた人を対象に、特例受験制度も設けられている。二輪レースの経験者だけでなく、一定の競技実績を持つスポーツ選手にも受験の道が開かれている。
入所試験は一次・二次の2段階入所試験は大きく分けて第一次試験と第二次試験で構成される。
第一次試験では、性格や心理面を中心とした適性検査を実施する。試験会場は東京、静岡、大阪、福岡などに設けられる。
第二次試験は茨城県下妻市のオートレース選手養成所で行われる。通常2泊3日の日程で、運動機能、一般知能、作文、面接、身体精密検査、体力検査などが実施される。
つまり、単純なバイクの運転技術だけで合否が決まるわけではない。競技者としての身体能力、判断力、規律を守る姿勢なども選考の対象となる。
バイク未経験でも受験できる?意外に思われるかもしれないが、バイク経験がほとんどなくても受験できる。
オートレース選手養成所の公式FAQでは、自動車免許や原付免許でも応募でき、バイクにほとんど乗った経験がない状態から訓練を受けて活躍する選手もいると説明されている。
したがって、二輪競技の経験がないことだけを理由に、選手になる夢を諦める必要はない。
一方、入所後は専門的な競技訓練が始まる。経験がない人にとっても、短期間で競走車の操作や整備を習得しなければならないため、継続的な努力と適応力は不可欠だ。
2026年の第41期募集状況2026年の第41期選手候補生募集は、一般受験が7月1日から8月31日まで、特例受験が7月1日から10月31日まで実施された。募集人数は男女合計で10名程度だった。
2026年11月2日時点では、一般受験・特例受験ともに申込受付は終了している。
JKAの養成所が公表したスケジュールでは、第一次試験の結果発表は2026年11月上旬、第二次試験は11月下旬から12月、最終合格者の発表は2027年2月上旬の予定となっている。
次期となる第42期の募集については、詳細が決まり次第、養成所の公式サイトで案内される予定だ。
【費用の真相】筑波サーキット内の養成所で学ぶ9か月と120万円の現在
オートレーサーを目指す人が特に気になるのが、養成所での生活と費用だ。
かつては養成訓練に関する費用負担が120万円とされていた。しかし、2026年現在、この金額をそのまま受験希望者が支払う制度ではない。
養成所の場所は茨城県下妻市の筑波サーキット内オートレース選手養成所は、茨城県下妻市にある筑波サーキットの敷地内に設置されている。日本で唯一のオートレーサー養成機関だ。
候補生は全寮制の施設で生活し、約9か月間にわたって選手として必要な知識や技術を習得する。
訓練は単なる走行練習ではない。競技規則を理解し、安全に競走車を扱い、選手として必要な判断力や精神力を養う総合的な教育課程となっている。
9か月間で学ぶ内容養成所の公式FAQによると、主な教育内容は次のとおりだ。
- 競走車の走行技術:専用競走車を操縦するための基礎と応用。
- 整備技術:競走車の構造や整備方法に関する知識。
- 法規・競技規則:オートレースに関係する法律や競技上のルール。
- 一般教養:公営競技の選手として必要な基礎知識。
- メンタルトレーニング:競技者として成長するための精神面の教育。
加えて、プロスポーツ選手や各分野の専門家を講師として招いた講義も実施されている。
養成所では生活面にも一定の規律がある。公式FAQによれば、携帯電話などの通信機器の使用や外部との連絡は原則として制限され、外部との連絡は手紙や指定された時間の電話などを利用する。
外出も自由ではなく、養成所の規則に基づいて月に数回程度認められる仕組みだ。夏季や年末年始には帰省できる期間も設けられている。
こうした生活環境は、競技技術だけでなく、集団生活への適応力や規律を身につけるためのものでもある。
養成費用120万円は現在も必要なのか結論から言えば、現在の養成訓練費用は原則無償だ。
以前の制度では、候補生が養成期間中の費用として120万円を負担する仕組みがあった。内訳は入所時の30万円と、選手登録後の90万円である。
しかし、経済産業省の2024年5月21日付資料「競輪・オートレース業界の現状と課題」では、第38期選手養成から候補生の教育費用分担金120万円を無償化したことが説明されている。
これは応募者の負担を軽減し、選手を目指す人の裾野を広げるための制度変更だ。2024年4月入所の第38期以降、この無償化が適用されている。
2026年の養成所公式FAQでも、養成訓練費用は無償と明記されている。
ただし、すべての支出がゼロになるわけではない。自宅と養成所の間の交通費、下着、タオルなどの個人用日用品は自己負担となる。
また、自己都合や規則違反などによって途中退所した場合には、個人用装具費の一部として30万円の負担が発生する場合がある。
そのため、現在の費用を整理すると次のようになる。
- 養成訓練費用:原則無償
- 受験料:一般受験は1万円、特例受験は免除の場合あり
- 交通費・個人用日用品:自己負担
- 自己都合などによる退所:条件により30万円を負担
「オートレース選手養成費用120万円」という情報は、以前の制度を説明したものとしては意味があるが、2026年の受験希望者が必要とする最新の費用情報とは異なる。現在の制度を確認する際は、第38期以降の無償化を基準に考える必要がある。
【2026年最新データ】オートレース選手415名の現状と女子レーサー復活の歴史
オートレース界の規模を知るうえで重要なのが、登録選手数と女子選手の人数だ。
JKAが発行した広報AUTORACE第214号によると、2025年12月31日時点の登録選手数は415名だった。
一方、2026年6月現在のオートレース公式入門サイトでは、レーサーは約420人、女子レーサーは31名と紹介されている。したがって、2025年末と2026年の数字を混同しないことが大切だ。
2025年末から2026年にかけての選手数女子選手については、以前の紹介で約20名という数字が使われることもあった。しかし、JKAの第40期募集情報では2025年6月時点で27名、2026年6月時点では31名と公表されている。
女子選手の人数は固定ではなく、新規デビューや登録消除によって変化する。検索結果で異なる数字が見つかった場合は、必ず集計時点を確認したい。
女子オートレーサーが44年ぶりに復活した経緯女子オートレース選手の歴史は、現在の31期よりも前にさかのぼる。
かつては女子選手が実際にレースへ出場していた時代があり、浜松オート所属の岡本七重などが知られていた。しかし、1967年に岡本が引退したことなどを経て、女子選手はオートレース界から姿を消した。
その後、長い空白期間を経て、2011年7月に女子選手が復活する。
このときデビューしたのが31期の佐藤摩弥と坂井宏朱だ。JKA公式サイトは、佐藤と坂井を44年ぶりに復活した女子オートレーサーとして紹介している。
特に佐藤摩弥は、その後の女子選手の活躍を象徴する存在となった。
- 2011年7月:佐藤摩弥が女子選手としてデビュー。
- 2013年3月18日:女子選手として史上初の優勝。
- 2016年5月29日:女子選手初のGⅡグレードレース優勝。
- 2018年:SG日本選手権オートレースで女子選手初の優勝戦進出。
- 2023年7月:GⅠキューポラ杯で優勝。
こうした実績は、女子選手が単に参加できるようになっただけではなく、男子選手と同じ競技環境でトップレベルを争えることを示している。
女子選手の現在と注目される存在2026年6月時点で女子レーサーは31名。2011年の復活以降、複数の期にわたって新しい選手が加わっている。
女子選手の代表的な存在には、次のような選手がいる。
- 佐藤摩弥(31期):女子選手復活後の象徴的存在。GⅡ・GⅠ優勝などの実績を持つ。
- 岡谷美由紀(32期):女子選手の競技実績を広げてきたレーサー。
- 藤本梨恵(32期):女子選手として競技活動を続けてきた存在。
- 金田悠伽(33期):同期の吉松優輝との結婚発表でも知られる。
- 吉川麻季(33期):SG出場経験を持ち、鈴木圭一郎との結婚発表でも注目された。
女子選手が増えている背景には、養成費用の無償化や応募資格の見直しなど、選手候補生を確保するための取り組みもある。経済産業省の資料では、女子選手は2024年時点で22名、全選手の約5%とされていた。
2026年6月には31名まで増えており、女子選手の競技参加は着実に広がっている。ただし、全登録選手に占める割合はまだ小さく、選手層のさらなる拡大が今後の課題となる。
主要人物と出来事を整理した関係・年表女子選手の復活から現在までの流れを、主要人物と出来事の関係で整理すると次のとおりだ。
| 時期 | 人物・対象 | 出来事・関係性 | 競技界への意味 |
|---|---|---|---|
| 1967年 | 岡本七重 | 女子選手としての現役活動を終える | 女子選手が不在となる時代へ |
| 2011年7月 | 佐藤摩弥・坂井宏朱 | 31期として女子選手が44年ぶりに復活 | 女子オートレーサーの新時代が始まる |
| 2013年3月 | 佐藤摩弥 | 女子選手史上初の優勝 | 女子選手の競技力を証明 |
| 2016年5月 | 佐藤摩弥 | 女子選手初のGⅡ優勝 | グレードレースでの実績を確立 |
| 2020年2月2日 | 金田悠伽・吉松優輝 | 同じ33期の現役選手同士で婚姻届を提出 | 女子復活後、現役女子選手と現役選手の結婚発表として初の事例 |
| 2020年11月16日 | 吉川麻季・鈴木圭一郎 | 現役選手同士で婚姻届を提出 | 報道上、現役選手同士の結婚は2組目 |
| 2026年6月 | 女子レーサー全体 | 女子選手31名 | 女子選手の競技参加が拡大 |
【仕事と収入の実態】オートレース選手の仕事内容・平均年収・厳しさ
オートレーサーという職業には、高額賞金や華やかな優勝シーンといったイメージがある。しかし、実際の仕事はレースに出場するだけではない。
競走車の整備、日々のコンディション管理、競技規則の理解、レースへの準備など、競技者としての総合的な能力が求められる。
選手の主な仕事内容オートレース選手の仕事は、大きく次の4つに整理できる。
1.レースへの出場
選手は全国のオートレース場で開催される競走に出場し、順位を競う。出場するレースは選手の級別や成績などを踏まえたあっせんによって決まる。
2.競走車の整備・調整
オートレースの特徴の一つが、選手自身が競走車の整備を担当することだ。JKAの公式ファンクラブでも、選手自身が競走車を整備することが紹介されている。
競走車の状態はレース結果に関係するため、走行技術だけでなく、整備に関する知識も欠かせない。
3.身体と精神のコンディション管理
高速で競い合う競技である以上、体力や集中力を維持することが必要になる。養成所でメンタルトレーニングが行われるのも、競技に必要な能力を総合的に育てるためだ。
4.競技規則と選手としての責任を守る
オートレースは公営競技であり、公正な競技運営が求められる。選手は競技規則や整備基準、使用する燃料などに関する規定を遵守しなければならない。
オートレース選手の平均年収は約1,420万円収入面では、オートレーサーは実力によって大きな収入を得られる職業だ。
JKAのオートレース選手養成所が公開している公式情報では、2025年実績の平均年収は約1,420万円と紹介されている。
ただし、この数字だけで全選手の生活水準を判断することはできない。オートレーサーの収入は、レースで得られる賞金と諸手当が中心であり、着順や級別、出場する競走のグレードによって大きく変わる。
公式サイトが紹介する2025年の取得賞金上位選手を見ると、その差は明確だ。
- 青山周平:約1億1,397万円。
- 黒川京介:約8,346万円。
- 鈴木圭一郎:約7,891万円。
- 佐藤摩弥:約4,792万円。
女子選手の佐藤摩弥が賞金ランキング上位に入っていることも注目点だ。性別にかかわらず、競技成績が収入に結び付く世界であることが分かる。
平均年収だけでは見えない職業の厳しさ約1,420万円という平均値は魅力的だが、これを新人選手が最初から得られると考えるのは誤りだ。
新人はB級からスタートし、実績を積み重ねて上位の級別を目指す。上位選手ほど賞金の高いレースへの出場機会が増えるため、デビュー直後からトップ選手と同じ収入を得られるわけではない。
また、選手の仕事には競技上のリスクも伴う。オートレースは高速で競い合うスポーツであり、身体的な負担や事故の危険性を避けて通ることはできない。
したがって、収入の高さだけで進路を決めるのではなく、競技を長期間続ける覚悟、整備を含む仕事への適性、体調管理への意識を持てるかが判断基準になる。
一方、公式情報では定年が設けられておらず、一定以上の成績を維持すれば長期間活躍できる職業とされている。実際に2026年6月時点では最年少18歳、最高齢79歳という幅広い年齢層が紹介されている。
【結婚の真相】金田悠伽と吉松優輝、吉川麻季と鈴木圭一郎の関係
オートレース選手について検索すると、競技成績だけでなく、選手同士の結婚に関する情報も多く見つかる。
特に検索されるのが、金田悠伽と吉松優輝、吉川麻季と鈴木圭一郎の2組だ。いずれも現役オートレーサー同士の結婚発表として報道された実例である。
金田悠伽と吉松優輝は2020年2月に結婚を発表2020年2月5日、浜松所属の33期・金田悠伽が、同じ33期で飯塚所属の吉松優輝と結婚したことを発表した。
婚姻届を提出したのは2020年2月2日。金田はオートレース公式ホームページの「33期女子オフィシャルブログ」を通じてファンに報告した。
当時の日刊スポーツの報道によると、女子選手が復活した31期以降、現役女子オートレーサーと現役男子オートレーサーの結婚発表は初めてだった。
また、結婚後も金田姓のまま競技活動を続けることが報じられた。
吉川麻季と鈴木圭一郎は2020年11月に結婚もう一組が、飯塚所属の33期・吉川麻季と浜松所属の32期・鈴木圭一郎だ。
2020年11月17日、日刊スポーツが2人の結婚を報道した。婚姻届を提出したのは前日の11月16日だった。
鈴木圭一郎はSG優勝を重ねてきたトップレーサーであり、吉川麻季も女子選手としてSG出場経験を持つ競技者だ。
この結婚は、金田悠伽と吉松優輝に続く現役オートレーサー同士の2組目の結婚として報じられた。
2組の結婚に関する事実関係検索されることの多い2組について、発表日と婚姻届提出日を整理すると次のようになる。
- 金田悠伽・吉松優輝:2020年2月2日提出、2月5日発表。
- 吉川麻季・鈴木圭一郎:2020年11月16日提出、11月17日報道。
この2組の事例で興味深いのは、競技者同士だからこそ、互いの仕事への理解が求められるという点だ。
オートレーサーは開催日程や練習、競走車の整備など、一般的な会社員とは異なる仕事のリズムを持つ。同じ競技に携わるパートナーであれば、職業上の事情を共有できる側面もある。
ただし、結婚発表という公表された事実と、その後の家庭生活は別の情報だ。子どもの有無や家族構成などについては、本人や関係者が公表した内容と区別して受け止める必要がある。
【プロの結論】オートレース選手に向いている人・目指す前に考えるべきこと
オートレース選手は、資格を取得すれば安定した収入が約束される職業ではない。養成所を卒業して選手登録を受けた後も、実績を積み重ねなければならない競争社会だ。
そのため、目指すかどうかを判断する際には、収入や知名度だけでなく、職業の構造そのものを理解することが大切になる。
オートレーサーに向いている人- 競争を前向きに受け止められる人:成績によって級別や賞金が変わる環境で、継続的に努力できる。
- 機械に興味がある人:走行技術だけでなく、競走車の整備や状態管理にも関心を持てる。
- 規律を守れる人:全寮制の生活や厳格な競技規則に適応できる。
- 精神的な切り替えができる人:勝敗の結果を受け止め、次のレースに向けて改善できる。
- 長期的な目標を持てる人:デビュー後も級別を上げるための努力を続けられる。
- 高収入だけを目的にしている人。
- 競走車の整備や日々の管理に興味がない人。
- 規則の多い寮生活や集団生活が苦手な人。
- 身体的なリスクを伴う競技に向き合う覚悟がない人。
- 成績が収入に影響する環境に強いストレスを感じる人。
第一に、養成費用の無償化だ。120万円という従来の負担がなくなったことは、受験希望者にとって大きな制度変更である。経済的な理由で挑戦をためらっていた人にとって、入口のハードルが下がった。
第二に、女子選手の増加だ。2025年6月の27名から2026年6月の31名へと増えている。佐藤摩弥のようにグレードレースで結果を残す選手が現れたことも、競技の裾野を広げる要素になっている。
第三に、候補生の募集と選考制度の継続だ。2026年の第41期では男女合計10名程度の募集が行われ、一般受験だけでなく競技実績を持つ人向けの特例受験も設けられた。今後も選手層を維持・拡大するための取り組みが注目される。
プロの視点から見れば、オートレーサーという職業の魅力は、高い賞金だけにあるのではない。競技技術、機械への理解、精神力を組み合わせ、自分の実績で評価を勝ち取る点にある。
養成費用が無償化された現在は、経済的な負担だけで進路を諦める必要性は以前より小さくなった。一方で、選手登録までの試験と9か月の訓練、そしてデビュー後の競争は変わらず厳しい。
この職業を本気で目指すなら、最初に確認すべきなのは平均年収ではなく、応募資格を満たしているか、養成所の生活に適応できるか、そして長期的に競技へ取り組めるかという3点だ。
【オートレース選手に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:オートレース選手になるにはバイクの免許が必要ですか?
A1:はい。応募には運転免許が必要ですが、原付免許でも応募できます。バイク競技の経験がなくても受験可能です。その他、年齢、体重、視力などの条件を満たす必要があります。
Q2:オートレース選手になるための養成費用120万円は現在も必要ですか?
A2:現在は原則不要です。第38期から教育費用分担金120万円が無償化され、2026年の養成所FAQでも訓練費用は無償と案内されています。ただし、交通費や日用品などは自己負担です。
Q3:オートレース選手は国家資格ですか?
A3:正式名称は「小型自動車競走選手」です。経済産業省が所管する資格検定制度で、JKAの選手登録が必要です。通常の自動二輪免許とは異なる公的な資格制度です。
Q4:2026年現在、女子オートレース選手は何人いますか?
A4:2026年6月時点で31名です。2025年末の登録選手数は415名で、2026年6月時点では全体約420名と公表されています。
Q5:オートレース選手の平均年収はいくらですか?
A5:JKAの公式募集情報によると、2025年実績は約1,420万円です。ただし、収入はレースの賞金と諸手当が中心で、成績や級別によって大きく異なります。
Q6:2026年のオートレース選手養成所の募集はまだ間に合いますか?
A6:第41期の一般受験は2026年8月31日、特例受験は10月31日に受付を終了しています。次期の第42期募集については、養成所からの公式発表を確認してください。
オートレース選手の正式名称は「小型自動車競走選手」。経済産業省が所管する資格検定を経て、JKAに登録されることでプロとして活動できる。
選手になるには、筑波サーキット内にある全寮制の養成所で約9か月間の教育を受け、資格検定に合格する必要がある。応募条件には16歳以上、運転免許の保有、体重や視力などの身体基準があるが、バイク未経験者にも挑戦の機会がある。
費用については、かつての120万円負担が第38期から無償化され、2026年現在は養成訓練費用が原則無料となっている。これは選手を目指す人にとって大きな変化だ。
選手数は2025年末の415名から、2026年6月時点では約420名へ。女子選手も31名となり、2011年の佐藤摩弥・坂井宏朱による復活から、競技の多様性は広がってきた。
平均年収約1,420万円という数字は魅力的だが、実際には賞金と諸手当に依存する実力の世界であり、誰もが同じ収入を得られるわけではない。
オートレース選手という職業を理解するうえで大切なのは、華やかな優勝シーンの裏にある9か月の訓練、競走車の整備、厳格な規則、そしてデビュー後も続く競争を知ることだ。制度の変化によって挑戦しやすくなった今、2026年以降の新しい選手層がどのように成長していくかにも注目したい。